日本国憲法について なぜ憲法改正の議論がなされているのか

日本国憲法について なぜ憲法改正の議論がなされているのか

 法律を学ぶにあたって「憲法」は核となる分野であることは間違いない。まずはそこを学ぶことにより全体が見えてくると考える。そこでまず、憲法とは何かを簡単に説明する。そして次に、近年憲法改正について激しく議論されている。なかでも憲法9条の在り方について論じる。また憲法改正について議論が活発にされている。その理由について論じたい。

 まず、日本国憲法とは一言でいえば政治をコントロールする法律である。政治は国民生活に深く関わっている。つまり、国、地方公共団体の基本を定めているのが憲法である。現在の日本国憲法は戦後にGHQのもとで早急に作られた。日本国憲法で特徴なのが「国民主権」、「基本的人権の尊重」、「平和主義」の3原則の存在である。これは、明治時代の大日本帝国憲法では考えられなかったものである。このうちの1つの「平和主義」について近年改正の議論がなされている。ではなぜ、憲法9条改正が議論されているのか。それは端的に言えば今の9条は、いくつもの解釈がされているためはっきりさせる必要があるからである。まず9条について説明したい。9条には1項と2項がある。1項は、戦争と武力による威嚇または武力の行使の放棄、2項では戦力を保持しないことと交戦権を認めないこととしている。この2項部分に自衛隊のあり方について違憲か否かについて長年議論されてきた。実際に中学校の教科書では7社中6社が自衛隊は違憲として記載している。*1自民党が作成した現改正案では、1項2項は維持しつつ3項に自衛隊について記載されることが検討される。*2これは自衛隊の存在が違憲か否かが問題となっているので明文化することにより合憲にすることを目的としている。現在は解釈改憲により政府は合憲としているが、これをより正確に合憲とすることが目的である。改憲にあたり、「国民の声を無視している」などという反対意見も存在しているが、国会でも3分の2以上の賛成で通過した後に国民投票にて過半数以上の賛成が必要となっているため国民の声は反映されていると判断してもよいのではないか。ちなみにこの国民投票は日本の歴史上行われたことはない。

 このように、戦後に制定された憲法は現時代にそぐわなくなってきている。様々な解釈をされており混乱を避けるためにも憲法の改正が議論されている。ただ、実際に憲法改正となると先ほど述べたようないくつもの手順を踏む必要があるため、仮に憲法改正となっても時間を要してしまう。改正するにしても多くの国民が納得するような議論が求められるのは当然である。

*1、*2 自由民主党法改正推進本部 マンガでよく分かる~憲法のおはなし~自衛隊明記ってなぁに? https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/constitution/kenpou_force.pdf

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