賃金について

 働いたら賃金を得る。これは普通のことである。しかし、賃金にもルールがあるということを知っている人は少ないのではないだろうか。今後働くうえで賃金は切っても切り離せない関係である。この知識を知らない場合、損をすることになってしまう可能性がある。きちんと学び活かしてもらえれば幸いである。

 まず、賃金には賃金の支払いの5原則というのが存在する。その5原則の内容は*1①通貨払いで②直接労働者に③全額を④毎月1回以上⑤一定の期日を定めて支払わなければならないとなっている。それぞれ詳しく説明していく。まず①通貨払いの原則だが、これは文字通り通貨で払うことである。その店で使えるクーポン券で払うことは禁止されている。②直接労働者にはこれも文字通り直接労働者に渡すことである。未成年だから親に渡すというのは許されていない。ただし、本人が病気などで受け取ることが出来ない場合は親などの使者に渡すのは差支えない。③の全額払いはピンハネしないで全額支払うことである。ただし、所得税などは控除しても差し支えない。④毎月1回以上と⑤一定の期日を定めてとは給料日のことである。アルバイト先でも毎月1回給料日があるのではないだろうか。なので今月は給料が少ないから来月にまとめて払うということは許されないのである。また一定の期日とは日を指定することである。毎月25日などということである。例えば毎月第4金曜日というのは許されないのである。ただし、支払日が休日に当たる場合は支給日を繰り上げる(繰り下げる)ことは許される。また、昨今コロナの影響で休業手当が話題にあがったためこちらも説明する。休業手当は使用者の責に帰すべき事由による休業の場合にその平均賃金の100分の60を支払わなければならないとなっている。この平均賃金の原則は算定事由(その原因が発生した日)以前3箇月間に支払われた賃金総額÷算定事由(その原因が発生した日)以前3箇月間の総日数で求める。ただし、アルバイトの場合この式で求めると著しく低い平均賃金になることがある。そのため算定事由(その原因が発生した日)以前3箇月間に支払われた賃金総額÷算定事由(その原因が発生した日)以前3箇月間の労働日数×100分の60で求めることもできる。

 賃金について説明した。労働したならば当然もらえるのだが金額に着目してしまい賃金の大原則をあまり意識しないかもしれない。しかし、大原則を理解しないでおくのは今後賃金を受け取る上ではもったいないことである。説明すると納得いくものばかりである。今後、社会人になるともらえる金額も多くなるためこの原則は忘れないでほしい。

*1 TAC社会保険労務士講座 みんなが欲しかった! 社労士の教科書 2022年度 TAC出版 2021年 37ページ

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