賠償予定の禁止

 アルバイトを始めると、どうしてもミスは起きてしまう。特に初めのころは慣れないためミスが多くなってしまうことは当然のことである。仮にミスした場合の損害はどうなるかと考えたことはあるだろうか。例えば飲食店でアルバイトをしていて皿やグラスを割ってしまったら弁償しないといけないのかなどと考えてしまうのは当然だろう。そのようなことも法律で決められているので紹介する。 

 先ほどの例は労働基準法16条に、「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と規定されている。飲食店のアルバイト中に皿やグラスを割ってしまった場合は、弁償する可能性はある。割ったグラスが500円であった場合500円払うのだ。しかし、これはあくまで店側が求めた場合である。重要なのは、雇用契約時に賠償予定を決めることは禁止されているのである。どういう事かというと、グラス1つ割ったら500円、皿を1つ割ったら1,000円支払うというようなことをあらかじめ定めておくのが禁止されているのだ。ただし、実際に発生した損害額を請求するのは問題ない。では、バイトのシフトが入っていたにもかかわらず病気などで欠勤し代わりに入ってくれる人も見つからなかった場合はどうなるのか。これは、損害賠償を支払う必要は極めて低いといえる。しかし、無断欠勤しさらにそのまま退職してしまった場合はどうなるか。アルバイトが無断欠勤して、そのまま退職することは*1民法709条の「不法行為」にあたる可能性がある。また損害賠償を請求される可能性も発生する。ただし、就業規則等に無断欠勤や無断退職をした時の罰則が記載されている場合は、それに従わないといけない場合もある。無断欠勤を行った場合はなどの項目が記載されているかどうか、就業規則等を確認してみるのがよいだろう。バイト先によるが、就業規則等の中で罰金のルールがある場合もある。仮に罰金により減らされていた場合も減額の大きさについて注意する必要がある。労働基準法91条「制裁規定の制限」では減給の定めがある。そこには「1回の額が平均賃金1日分の半額を超えない」「総額が一賃金支払期で支払う給与額の1/10を超えない」こととされている。減給される額にも限度が存在する。 

 アルバイトで起こりうる可能性にある賠償等について説明した。この知識を基にアルバイトの雇用契約時には気を付けてもらいたい。また、無断欠勤は店にも多大なる心配と迷惑がかかるので絶対にしないでもらいたい。これは働くうえで当然のことでもある。

*1 求人ボックス バイトはばっくれない方が賢明!損害賠償のリスクや給料の受け取り方法を解説                           

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