アメーバ経営について

    アメーバ経営という言葉を聞いたことはあるだろうか。これは*1京セラ名誉会長 稲盛和夫が会社を経営していく中で、実体験から生まれた経営管理手法である。この手法は多くの組織で取り入れられている。日本航空の再建にも用いられた。アメーバ経営について説明していく。

   アメーバ経営の特徴は、大きい会社組織をできる限り小集団に分けることから始まる。この小集団のことをアメーバという。そしてこのアメーバ内で独立採算を取っていることが最大の特徴である。利益を最大化するためには、理論上は売上を最大化し、経費を最小化することである。これを実現するために、各アメーバの中で売上を最大化し、経費を最小化することによって、各アメーバを黒字化することを目標としている。各アメーバ間で実際に売買をさせることも特徴の一つだ。アメーバは組織であるため、各アメーバには当然ながらリーダーが存在する。そのリーダーが自ら先頭に立つことにより、組織の計画や目標を立てなければならない。そしてそのアメーバのメンバーそれぞれが自主的に考えて行動することにより、目標達成に近づくことを目指す。そのような経験をすることで、アメーバ経営というものが少しずつ浸透していき、最終的にはビジネスマンとして必要な経営者意識を持った人材が育つのだ。 また、採算を時間あたりで算出するのもアメーバ経営の特徴の一つだ。時間あたりに細分化することにより付加価値を確認する。そのことにより、アメーバの大きさに関係することなく収益性がわかる。結果として日常業務の改善結果が理解しやすくなるため、アメーバの利益拡大にもなる。このようなメリットがあるが、デメリットも存在する。例えば、数字が客観的にわかるためプレッシャーになってしまう。この数字ではいけない、他の人に迷惑をかけることができないなどといったプレッシャーから猛烈に頑張ってしまうことによって疲れてしまうことも考えられる。また、導入する場合は主に経営マネジメント層の意識改革に多くの時間がかかってしまうこともある。今までの手法や意識を劇的に変えなければならないためそれ相応の覚悟が必要となる。

   アメーバ経営について説明した。この経営手法は有名であるため多くの会社で導入され浸透している。また海外でも取り入れられて注目を浴びている。それに関係する書籍も多数出版されているだけではなく、経営マネジメント層を対象とした勉強会も開催されている。大学卒業してしばらくはあまり関わりないかもしれないが、出世するにつれてこのような勉強会に出席して自己研磨に励むのも良いのではないだろうか。

*1  京セラコミュニケーションシステム株式会社  アメーバ経営とはhttps://www.kccs.co.jp/consulting/service/amoeba/about/

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