「確定申告ってなに?」
「自分も確定申告を行わないといけないの?」
このように疑問に感じている大学生も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は「大学生が申告をする基準」と「確定申告のやり方」についてご紹介していきます。
確定申告ってなに?
大学生になって、バイトの日数を増やした、または副業を始めた方にとって「確定申告が必要だ」という話を急に聞いても「確定申告って?」と疑問に感じる大学生もいるのではないでしょうか。
確定申告とは、1年間(1月〜12月まで)の所得を計算して、一定値を超えてしまうことで、税務署に申告し、所得税を収めることを指します。
税務署に申告をする期間としては、収入があった年の翌年の2月15日~3月15日前後までに行う必要があります。
ただ、これは年度によって変わることがあるので、2月が近づいてきたら事前に確認しておくことが重要です。
確定申告と聞くと「会社員がすること」「大学生は行わなくていい」とイメージされやすいのですが、実は、大学生でもアルバイトという収入があるため「課税の対象」になるのです。
しかし「今まで、年末調整なんてしたことがない」という大学生もいますよね。
そのような方に少し思い出して欲しいのですが、年末頃になるとは店長などから「年末調整」という単語を聞いたことはないでしょうか。
これこそが、確定申告につながる手続きなのです。
会社が年末調整を行ってくれることで、1年間の所得税を正しく申告してくれるため、
自分で翌年確定申告をしなくても済んでいるのです。
もし、この年末調整を会社が行ってくれない場合は、毎年、自分で確定申告をする必要があります。
確定申告に出てくる所得税の仕組みとは?
先ほど、確定申告の際には、1年間(1月〜12月まで)の所得を計算する必要があると書きました。
この所得税は「103万円」を超えてしまうと、所得税が引かれた状態でバイト代が振り込まれる仕組みとなっています。
このような仕組みを「源泉徴収」と表現されており、給与明細に「所得税」の記載があった場合は、この仕組みが利用されているのです。
しかし、103万円を超えてしまっている方でも、源泉徴収の税率と正しい税率に差があることがあるため「所得税を払い過ぎている」という現象になる大学生もいます。
そのように聞くと「自分だけ、多く払うなんて…」と思ってしまいますが、この「払い過ぎた金額」を返してもらうためにも確定申告をする必要があるのです。
大学生でも確定申告をするケースとは?
「でも、自分は確定申告をする必要がない」と思っている大学生も多いと思います。
しかし、副業をやっている場合やバイトをやめたタイミングなどによって、確定申告が必要となるケースがあるのです。
そこで、ここからは「確定申告が必要なケース」を5つご紹介していきます。
確定申告をするケース①年度の途中でアルバイトを辞めた人
先ほども少しご紹介しましたが、アルバイト先が確定申告を行ってくれるタイミングとして「年末まで在籍していること」が重要です。
そのため、年度の途中でアルバイトを辞めてしまった方は、自分自身で確定申告を行う必要があります。
その場合には、源泉徴収をもとに確定申告を行っていくため、退職する際に必ず「在籍中の源泉徴収」をもらうことが大切です。
確定申告をするケース②扶養控除を受けられる書類を提出していない人
アルバイト先で雇用されると、11月ごろに「扶養控除等異動申告書」または「扶養控除等(異動)申告書」という名前の書類を提出するように促されます。
この「扶養控除等異動申告書」というのは、扶養状況など個人的な生活状況を考慮してくれる所得税の精度を利用するためのものです。
この制度を利用することで、所得税の課税対象から除外されるケースもあります。
そのため、「扶養控除等異動申告書」は、年末調整の際にアルバイト先に提出する重要書類なのです。
また「扶養控除等異動申告書」を提出しないと、所得税の制度を利用できないだけではなく、翌年の源泉徴収税額が大幅に高くなってしまうので注意しましょう。
確定申告をするケース③バイトを掛け持ちしている人
年末調整のルールとして「1社しか行えない」というものがあります。
そのため、アルバイトを掛け持ちしている人は、多く働いているバイト先でしか年末調整を行うことができないのです。
しかし、年度の途中で掛け持ちのアルバイトを辞めてしまった場合には、辞めたお店の源泉徴収票を年末前に依頼することで、メインのバイト先の年末調整に乗せてもらう方法があります。
その方法を取ることで、確定申告が不要になるため「掛け持ちをやめたい」と考えている方は、年末前に辞めることがオススメです。
確定申告をするケース④副業によって、収入がある
確定申告では、アルバイトだけではなく「ウーバーイーツ」「オークションの売買」「FX」「YouTube収入」で収入を得ている場合でも、確定申告を行う必要があります。
また、このような収入をメインとしている場合には、諸経費を差し引いた所得。
つまり、「移動費」「人件費」「通信費」などを差し引いた所得が48万円を超えてしまうと、確定程申告が必要となるのです。
さらに、ウーバーイーツなどを「副業」として行っている場合には、副業の年収入から諸経費を差し引いた所得が20万円を超えてしまうと、確定申告が必要となります。
そして、FXを収益としてみている方は、他の副業と確定申告をする基準が変わっていきます。
FXは、「分離課税」という所得になるため、利益が20万円を超えている方は「雑所得」として確定申告をする必要があるからです。
FXも株式と同じように、損失が出てしまった場合には、3年間だけ繰り越すことが認められています。
その他の確定申告が必要となる主な副業は、以下のとおりです。
・フリマアプリやネットオークション
・クラウドソーシング(ココナラなどの収入)
・ウーバーイーツ
・Youtubeの広告収入
・FX/株
確定申告のやり方とは?
ここまで「確定申告が必要なケース」などをご紹介してきました。
そのため、「今年から自分でやらないといけないんだ…」と思った学生もいるのではないでしょうか。
また「確定申告なんてやり方がわからない」「難しいそう」と感じている学生も多いと思います。
そこで、ここからは「確定申告のやり方」を詳しく解説していきます。
確定申告のやり方①申請書を書いていく
確定申告には「確定申告書」というものが必要となります。
この確定申告書は、国税庁HPまたは所轄の税務署で入手することが可能です。
国税庁HPの確定申告書には「A様式」と「B様式」がありますが、学生は「確定申告書A」を使います。
確定申告のやり方②必要書類を揃えていく
確定申告の際に必要な書類は「源泉徴収票」「マイナンバー」「身分証」「通帳(口座番号がわかるもの)」が必要となります。
また、「生命保険や国民年金の控除」「勤労学生控除の申請」などの制度を利用する学生は、それらを証明する書類が必要となります。
もし、源泉徴収票が手元にない場合は、アルバイト先の人に頼んで発行してもらう必要があります。
確定申告のやり方③必要書類の提出をする
HPから印刷をした場合では、住民票に書いてある住所地を管轄する税務署に持参する必要があります。
また、マイナンバーカードを持っている人は「e-Tax」というインターネット上で確定申告を行うことが可能です。
「税務署に行く時間がない」という学生は、「e-Tax」でスムーズに確定申告を行いましょう。
まとめ
今回は「大学生が確定申告をする基準」と「確定申告のやり方」についてご紹介していきました。
確定申告と聞くと「難しい」などのイメージが強いかもしれませんが、今では「e-Tax」で気軽に申請できる制度が整っているため、大学生の方でもわかりやすく確定申告を行うことができるのです。
「確定申告のやり方がわからない」と悩んでいる大学生の方は、この記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。