「移行対象」とは?意味や使い方を簡単に解説!

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移行対象の意味

 移行対象とは、D.ウィニコットが提唱した概念で、乳幼児が保護者の代わりとして特別な愛着を寄せるようになる対象のことを指す。この対象はほとんどがぬいぐるみやタオルなどの無生物である。移行対象は、人間の本来的な欲求を満たすものであれば、ぬいぐるみやタオルのように柔らかい存在でなくてもよいとされる。移行対象が生まれるのは、移行期と呼ばれる1-3歳ごろである。それまでの乳幼児は、常に保護者から守られ、絶対的に依存しているため、全能感を抱いている。しかし、このくらいの年代からしつけが始まり、常に保護者に肯定されてきていたという全能感が崩壊する。それまでは保護者と乳幼児は一体であったのが、分化した状態への移行が始まる。全能感が否定されたストレスから、乳幼児は保護者や乳房に代わるものを求め、そこに新たに依存を形成し、保護者以外の対象から安心感を得ようとする。この依存先が、移行対象である。そのため、この移行は、乳幼児の精神発達上重要な意味をなしていると言える。

例文

・小さい子が肌身離さず持っているものは、移行対象であると考えられる。

・移行対象は、それまで保護者のみに依存していた乳幼児が初めて依存する他の存在である。

・乳幼児の本能には乳房を吸うというものがあるため、口に入れやすいものが移行対象となりやすい。

・移行対象が生まれるということは、自立への第一歩であると考えることができる。

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