認知的不協和理論とは
認知的不協和理論とは、自身の持つ認知と認知の間で矛盾(不協和)が生じた時、その矛盾を解消、もしくは軽減しようとする心の働きのことである。
フェスティンガー(Festinger,L)によって提唱され、個人の認知(知識や意見、信念など)内の整合性が基になっている。
認知間の矛盾や、文化的習慣の相違、一般的な意見に含まれる特殊な意見、経験との矛盾などの関係が認知の間にあれば、不協和であるとされる。
認知的不協和は、大きな労力を支払ったのにつまらなかった時や、災害時の逃げ遅れなどでよく見られる。この時、認知の不協和を解消しようとして、「それなりに興味深かった」「ここは安全だ」とつじつまを合わせようとする。
また、人にはこの状態にならないようにあらかじめ回避する傾向があり、それも選択的接触と呼ばれる。
例文
・商品が必要な理由を説明するマーケティングでは、認知的不協和理論を活用していると考えられる。
・認知的不協和理論は、日常生活の行動の動機づけにも利用できる。
・認知的不協和理論は、人との関わり合いで役立つことがある。
・認知的不協和理論は、不快感を低減するために起こるもので、必ずしもネガティブな効果を生むものではない。