タイトル：『経済成長における南北格差の歴史的変遷』

はじめに

20世紀に入って、世界の多くの国々が経済発展を遂げ、その恩恵を受けた人々の生活水準が向上しました。しかし、この経済発展には南北格差という問題がつきものでした。南北格差とは、発展途上国と先進国との間で、経済的・社会的な二極化が進んでいる状態を指します。本レポートでは、南北格差の歴史的な変遷を、主にアジア地域を中心に検証していきます。

第一章　西欧の経済発展と南北格差の始まり

16世紀になると、ヨーロッパではルネサンスの時期を迎えていました。同時に、大航海時代の到来により、ヨーロッパはアジア・アフリカ・アメリカなど海外との交易を盛んに行うようになりました。この交易活動がヨーロッパを中心とする世界的な地位を確立させ、資本主義経済を生み出しました。

こうした経済発展に付随する形で南北格差が形成される原因は2つ以上挙げられます。一つ目は、ヨーロッパが発展する中で、西欧諸国が植民地支配や海外での交易による利益を受け取ったことです。一方でアジア・アフリカ・アメリカなどの地域は、植民地支配や交易により失地を重ね、そのために経済発展を遅らせました。二つ目は、17世紀以降、ヨーロッパ人が宣教師としてアジア地域に進入したことです。この進入により、アジア地域に住む人々は欧米化を求められ、ヨーロッパの文化や言語を学ぶことが求められました。これが、アジア地域の文化や経済発展に打撃を与える原因となったのです。

第二章　第二次世界大戦後のアジア経済再建と南北格差の縮小

第二次世界大戦は、アジア地域にも大きな影響を与えました。戦争による破壊と人口の減少は、アジアの経済に重大な影響を与えます。しかし、戦後のアジア地域では、日本を中心とした経済再建が有効に進められ、南北格差の縮小が進みました。

戦後日本は、産業構造の変化や人口の増加などにより、急速に成長しました。日本は、GDPの伸び率が10％以上という驚異的な経済成長を遂げ、一時期は世界第2位の経済大国となりました。このような経済発展を遂げた日本は、アジア地域の経済成長に大きな役割を果たしました。アジア地域においては、日本経済の発展が南北格差の縮小につながったと言えます。

第三章　現代の南北格差の変遷と今後の課題

現代に入ると、アジア地域においては、中国の経済発展が目覚ましいです。中国は、1990年代以降、急速な経済発展を遂げました。その結果、中国のGDPは、2000年には日本を抜いて世界第2位となり、2010年にはアメリカを抜いて世界最大の経済大国となりました。

しかし、一方で発展途上国と先進国との経済的・社会的な二極化は依然として存在します。例えば、アメリカとバングラデシュの一人当たりGDPには、依然として30倍以上の差があります。

なぜ南北格差が依然としてあるのでしょうか。原因は、発展途上国の負債問題や、労働力の不足、外国の投資の不足など様々な要因が挙げられます。また、環境問題に関しても、発展途上国には大きな課題が残されています。たとえば、中国の大気汚染は深刻であると指摘されています。

総括

南北格差は、17世紀以降の植民地支配や海外での交易による利益取得、20世紀におけるアジア文化的押しつけなどの歴史的背景があることが分かりました。しかし、日本を始めとするアジア地域の経済発展が、南北格差の縮小につながったことも明らかになりました。現在は、中国を中心とする発展途上国の経済発展に注目が集まっていますが、南北格差は依然として存在し、様々な課題が残されています。今後の経済発展に向けて、南北格差の縮小につながる取組みが必要です。