選択的注意の意味
選択的注意とは、数多く存在する情報の中から、特定の情報を、集中的かつ、注意的に選択する認知機能のこと。自分に関わりが深いと認識した情報を優先的に取得し、反対に、不要な情報を排他する情報処理機能を指し、イギリスの認知心理学者コリン・チェリーは、これを、カクテルパーティー効果と呼んだ。
雑踏の中でも、自分の名前には敏感な反応を示す、ひとつのことに集中すると、他への集中力が散漫になるといったことも、選択的注意の働きによる。膨大な情報の中から、自分に有益な情報を効率的かつ安全に取得する、この認知機能は、マーケティング分野にも活用されている。
情報処理を有効的に制御する選択的注意は、欠如しても、過剰でも、障害と診断される場合がある。認知症になると、選択的注意の欠如が著しく、日常的な危険回避が困難となる。一方で、強迫性障害は、選択的注意が、非現実的な可能性に傾倒しやすく、日常生活に支障をきたすことがある。
例文
・選択的注意が働くと、危険なものを優先的に避けることができる。
・選択的注意には、危険察知というメリットがある。
・気分障害やうつ病は、マイナス感情に対して、選択的注意が過剰に働いている可能性がある。
・選択的注意の過剰は、認知行動療法での治療が有効的だ。
・膨大な情報の中から、特に必要な情報を取捨選択できるのは、選択的注意が働いているおかげだ。