大学において、オンライン授業の増加に伴い、レポート提出がより一般的に求められるようになっています。今回の記事では、初めてレポートを書く学生や書き方に迷う学生に向けて、論文・レポートの基本について指導してくださった石黒圭先生のアドバイスをご紹介します。特に、学部に関係なく必要とされる論証型レポートの書き方に焦点を当てて解説いたします。
レポートの基本
レポートとは
レポートは、情報や知識を伝えるための文書です。一般的には、特定のトピックに関する情報や分析をまとめて説明し、読者に伝えることを目的とします。レポートは様々な種類があり、その内容や目的に応じて異なる形式で書かれます。この記事では、レポートの基本について詳しく説明しま
レポートの種類
レポートはさまざまな種類があり、それぞれ異なる目的や構造を持っています。一般的なレポートの種類には以下のようなものがあります。
- 研究レポート: 新しい知識やデータに基づいて研究結果を報告するためのレポートです。先行研究との比較や結論の提供が含まれます。
- ビジネスレポート: 企業や組織の業績、プロジェクトの進捗状況、市場調査結果など、ビジネス関連の情報をまとめたレポートです。意思決定のサポートに役立ちます。
- アカデミックレポート: 学術研究や学術的なテーマに関する情報を提供するレポートです。論文のような形式を持つことが多く、詳細な文献引用や論証が求められます。
論証型レポートの基本構成
論証型レポートは、特定の主題について論理的に議論し、証拠やデータを用いて主張を支持するためのレポートの一種です。論証型レポートの基本構成は以下のようになります。
序論
序論は論証型レポートの最初のセクションであり、読者に対して問題の背景や重要性を説明します。具体的な構成要素は次の通りです。
問題の提示（目的）
最初に、レポートで取り上げる問題や研究の目的を明確に述べます。読者に対して、何について議論するのかを明示します。例えば、特定のビジネス課題や学術的な問題点を指摘します。
先行研究の概要
問題の背後にある文脈や過去の研究についての概要を提供します。これにより、読者は問題がどのように位置づけられているのかを理解しやすくなります。関連する研究やデータに言及しましょう。
本論
論証型レポートの本論では、問題の解決や主張の展開が行われます。基本構成要素は次の通りです。
資料と方法の選定
論証をサポートするために使用する資料やデータ、研究方法を詳細に説明します。読者に対して、情報の信頼性や有効性を示す必要があります。
結果の確認と分析
研究や調査の結果を示し、それらを分析します。データや事実に基づいて主張を構築し、読者に説得力を持たせます。
考察と裏付け
結果をもとに、問題に対する考察や解釈を行います。また、主張を裏付けるためにデータや事例を活用します。結論に向けて主張を強化します。
結論
論証型レポートの最後には、研究の結論が提示されます。問題の解決策や主張がまとめられ、読者に対して明確に伝えます。
「オリジナリティと評価」
論証型レポートを書く際には、オリジナリティと評価が重要な要素です。以下でそれぞれの要素について詳しく説明します。
主張の重要性
論証型レポートの主張は、問題の解決や議論の中心となります。主張は明確で重要なものである必要があり、問題の解決に対して新しい視点や洞察を提供することが望まれます。読者にとって関心を引く主題を選びましょう。
オリジナリティの付加価値
オリジナリティは、論証型レポートの価値を高める要素です。先行研究や既存の情報との差別化を図り、新たな情報やアプローチを提供しましょう。独自のデータ収集や独自の視点を持つことが重要です。
レポートの評価基準
論証型レポートは、その内容と論理的な構造に基づいて評価されます。評価基準は様々ですが、一般的な基準には以下のようなものがあります。
論理的な展開: レポートの論理的な流れや議論の展開が明確であることが求められます。情報やデータが整合性を持ち、主張が適切にサポートされているかを確認しましょう。
証拠とデータの信頼性: 使用される資料やデータの信頼性が高いことが重要です。信頼性の低い情報源やデータを避け、正確な情報を提供しましょう。
クリティカル思考: レポートはクリティカル思考を示す場でもあります。他の視点や意見に対して批判的に考え、自身の主張を慎重に検討しましょう。
「まとめ」
以上の要素を考慮しながら、論証型レポートを構築することが重要です。レポートの基本構成、オリジナリティの付加価値、評価基準に焦点を当て、読者に価値ある情報を提供するために努力しましょう。論証型レポートの書き方に慣れることで、情報を効果的に伝えるスキルを向上させることができます
