色を引く力──無彩色デザインが織り成す無印良品の売上メカニズム
序論
無印良品の店頭に足を踏み入れると、空間全体が静かな呼吸をしているように感じる。生成りの紙、半透明のポリプロピレン、無彩色のガラス。派手なラベルを剥ぎ取ったその風景は、一見すると商業空間というより、倉庫かギャラリーのようだ。だがこの抑制された色彩設計こそが、同社の売上を下支えするエンジンとなっている。本稿では「色」を軸に、無印良品が顧客の購買行動へ仕掛けているメカニズムを探りたい。
序論
無印良品の店頭に足を踏み入れると、空間全体が静かな呼吸をしているように感じる。生成りの紙、半透明のポリプロピレン、無彩色のガラス。派手なラベルを剥ぎ取ったその風景は、一見すると商業空間というより、倉庫かギャラリーのようだ。だがこの抑制された色彩設計こそが、同社の売上を下支えするエンジンとなっている。本稿では「色」を軸に、無印良品が顧客の購買行動へ仕掛けているメカニズムを探りたい。