ポジティブ心理学の影響を探る:強みを活かしたアプローチによる幸福感とレジリエンスの向上

ポジティブ心理学の影響を探る:強みを基にしたアプローチを通じた幸福感とレジリエンスの向上

はじめに

本報告書では、ポジティブ心理学が個人の幸福感とレジリエンスに与える影響を、特に強みを基にしたアプローチを通じて探ります。ポジティブ心理学は、マーティン・セリグマンが開拓した分野であり、人間の成長に寄与する強みや美徳、要因の研究を重視します。この報告書の目的は、弱点や病理にのみ焦点を当てるのではなく、個人の強みに注目することが、精神的健康の向上や人生の挑戦に直面する際のレジリエンスの強化につながることを検証することです。

本論

ポジティブ心理学の核心的な理念は、主に苦痛の軽減を目指す欠陥モデルから、幸福感の向上に重点を置くことへのシフトです。研究によれば、自分の強みを特定し、育てることによって、人生における満足感や充実感が高まることが示されています。例えば、プロクターらによるメタ分析では、 (2011年) の研究では、強みの活用が幸福感と正の相関関係にあることが示されており、個人の強みと一致する活動に参加することが全体的な幸福を大いに向上させる可能性があると提案されています。さらに、逆境から立ち直る能力として定義されるレジリエンスも、強みを活かすアプローチによって強化されることがあります。レジリエンスのある人々はしばしば強い自己効力感を持っており、これは自分の内在的な強みを認識し活用することで育まれます。TugadeとFredrickson (2004年) の研究はこの考えを支持しており、自分の強みを頻繁に活用する人々は、ストレスに対処し、困難な状況から回復する能力が高く、したがってレジリエンスが向上することを示しています。実際の応用においては、強みの評価やコーチングといった強みを基盤とした介入が、教育、治療、組織環境などさまざまな場面で注目を集めています。たとえば、VIAキャラクター強み調査は、個人が自分の主な強みを特定することを可能にし、それを生活のさまざまな面に活かすことで、目的意識や方向性を育む手助けをします。 さらに、強みを活かした開発プログラムを実施している組織は、従業員のエンゲージメントや生産性が向上したと報告しており、これらのアプローチは個人の幸福に寄与するだけでなく、集団としてのレジリエンスも高めること