高速道路の“SAS(眠気検知)”は本当に事故を減らす?
序論
近年、高速道路における交通事故の原因として、ドライバーの居眠り運転が大きな割合を占めていることが指摘されている。その対策として、車両や道路インフラに“Sleepiness Alert System(SAS)”と呼ばれる眠気検知システムの導入が進んでいる。ハンドル操作のふらつきやドライバーのまばたきの頻度をセンサーで検知し、ドライバーに警告を発するこの技術は、果たして本当に事故件数を減らすことができるのだろうか。本レポートでは、SASの技術的仕組みと実際の事故件数推移データを検討し、さらにシステムへの過信が生む逆効果の可能性についても触れ、SASの有効性を総合的に評価することを目的とする。