レポートの質を一気に上げることができる序論の書き出し。
序論とは、レポートの全体像を伝えていくことで、読み手のことを考える構成にしていくことがレポートの質を上げる書き出し方と言われています。
序論での書き出しは、自分が思いついた順番で書いていくのではなく「テーマの背景→テーマの問題点→自分の主張や研究論文の紹介」の流れで書いていくことが大切です。
しかし、大学では「序論は長すぎないこと」などの注意は受けますが、どれくらいの長さで書いていけばいいのか。
また、どのような書き方をしていけばいいのか詳しく教わることはありません。
そこで、今回は「レポートの書き出し方」「書き出し方の例」「書き出しにおける注意点」についてご紹介していきます。
序論の書き出しは、レポートの何割?
レポートの書き出し(序論)で迷うことは「どれくらいの割合で書いていくのか」だと思います。
大学の先生からは「あまり多すぎてはいけない」とよく言われますが、正確的にパーセンテージで表現してくれる大学の先生は少ないのではないでしょうか。
基本的に、レポートの全体像は「序論 10%、本論 80%、結論 10%」のバランスを保ちつつ書いていくことが望ましいと言われています。
序論は、レポートの書き出しの中でとても重要な箇所であり「論文への問い」やなぜ、そのテーマを選んだのかの「目的」を書いていく必要があるのです。
序論の書き出しでつまずいてしまうと、その後のレポートの質を下げてしまうので注意が必要です。
ただ、序論に力を入れすぎてしまい500〜1000文字以上で書いてしまうと、レポート全体としてのバランスが崩れてしまうため「何を書くべきなのか」を把握しておく必要があります。
レポートの書き出し(序論)全体像を伝えること
序論は、レポートの全体像を伝えるために必要なことです。
序論の内容は、自分が扱っていくテーマ・テーマを選んだ理由を書いていきます。
ところが、序論と聞くと「前置きだから適当に…」と思う大学生の方もいるのではないしょうか。
しかし、序論と前置きは大きな違いがあるのです。
序論は、先ほど言ったように「自分のテーマの理由」などを書いていき、レポートの全体像を伝えていきます。
一方で、前置きとは本題に入る前の言葉「時効の挨拶」などが含まれます。
序論は、レポートの「予告」の役割をしてくれているため、前置きの挨拶などは必要ないのです。
ここの違いを理解していないと「長々と書いてしまう」ことにも繋がってしまいます。
レポートを読んでくれる大学の先生からしたら「何のためのレポートなのか」分からなくなって評価が下がっていくこともあるので注意が必要です。
また、膨大な文字数のレポートを全部読んで「こういうテーマだったのか」と分かる流れだと、大学の先生にも負担が大きくなってしまうため避けていくことが大切なのです。
レポートの書き出し(序論)に必要な5W1Hとは?
レポートの書き出しに重要な序論ですが、多くの大学生の方が「どのような流れで書いていけばいいのか」と悩んでいるのではないでしょうか。
「レポートの目的を書きつつ、理由も書いて…」と、きちんとした流れを把握せずに書いていってしまうと、いつの間にか文字数が多くなってしまったり、内容がまとまらずに提出してしまい評価が下がってしまうこともあります。
そこで、レポートの「質の高い書き出し方(序論)」をしていくためには、以下のような流れで行うことがオススメです。
【レポートの質を高める5W1H】
- いつ(When):どうしてそう思ったのか
- どこで(Where):どこで研究を行ったのか
- 誰が(Who):自分や相手
- 何を(What):取り上げるテーマ(問題提起)
- なぜ(Why):レポートの目的・意義
- どのようにして(How):調査・研究の仕方
上記の5W1Hは、誰もがわかりやすい文章にする時のポイントになり、ビジネスシーンでも多く活用されています。
このように、レポートの書き出しの際には「5W1H」を事前にイメージしていくことが大切なのです。
特に、上記のなかでも序論を書き出す際に「何を(What)」「どのように(How)」を深堀りしていくことで、質のいい序論の書き出しを行うことができます。
レポートの書き出し5W1H法則の流れとは?
先ほども言ったように、レポートの書き出しは「5W1Hで書く」ということが大学の先生からレポートの高評価をもらえる方法となります。
しかし、ビジネスでよく使われる5W1Hと言われても「5W1Hってどんな流れ?」と疑問に感じると思います。
5W1Hの法則の中でも重要とされているのが「なぜ(Why)・何を(What)・どのように(How)」です。
この3つを深掘りしていくことで、レポートのおける序論の書き出しがスムーズになります。
5W1Hの法則「なぜ(Why)」では、そのテーマに決めた理由を書いていきます。
これが抜けてしまうと、レポート全体の質と評価を下げてしまう可能性が高いのです。
次に「何を(What)」を考えていきます。
大きなテーマを考えた中の「何に注目していくのか」を考えることで、これから書く本論の信憑性やレポート全体の流れを把握することができるのです。
そして、最後に「どのように(How)」をしっかりと考えていきます。
自分がそのテーマをどのようにして調べ、どのように自分の考察を組み立てていくのか。
これをしっかりと明記することで、大学の先生もレポートの流れを把握でき「読みやすいレポートの書き出し」になります。
ここまでくると「いつ(When)・どこで(Where)・誰が(Who)は、書かなくていいのか」と思うかもしれませんが、この3つはレポートの書き出しに必要になった際に使うことがオススメです。
特に「誰が(Who)」は、自分でレポートを書くため明記しないことが多く、入れる際には大学の先生に聞くようにしましょう。
レポートの書き出し5W1Hの法則「なぜ(Why)」の例
レポートの目的を書いていく際には「この分野を深く知っていくため」「もっと知るため」の内容にしていきます。
例えば、テーマが「リサイクル」に関することなら
- リサイクルを推奨される目的
- どのような影響があるのか
- どうしたらリサイクルをしてくれるようになるのか
- これからもっと活動的にしていく未来
このように、自分のレポートを見て「今、こういう現状だからこそ、もっとこうしたほうがいい」「このようにしていくことで、未来を変えられる」を感じ取ってもらうことが大切なのです。
では、もっと「具体的な目的の書き出し方」をご紹介していきます。
目的を書くときの全体的な流れとしては
①テーマの背景
②テーマの問題点
③自分の主張
この3つの順番で目的を書き出していきます。
【目的のテンプレ1】
背景:「日本に〇〇という問題が起きている」
問題点:「これを解決しないと、〇〇のような問題が引き起こされる」
自分の主張:「したがって、私たちは〇〇について考えていく必要がある」
【目的のテンプレ2】
背景:「私たちは、〇〇について考えていく必要がある
問題点:「しかし、この問題について多く語られることがない」
自分の主張:「したがって、〇〇について検討・考察していく必要があるのだ」
このように、目的のテンプレに当てはめていくことで序論も書き出しやすくなっていくのです。
5W1Hの法則「何を(What)」レポートの全体像の書き方
レポートでいちばん注意したいポイントは「考えたまま、文章にしていく」ことです。
自分の考えを思いついたまま書き出していくと「何のレポートなのか」分からなくなってしまいます。
例えば
「このような問題があって、そのため、日本にはこんなことになっていて、最後はこうなったけど、〇〇という可能性もあって…」
ここまで崩して書かれることはありませんが、上記のように思いついた順番で書き出してしまうと、大学の先生も「何を伝えたいのか」と困惑してしまい、レポートの評価が下がってしまうのです。
一方で
「このようなことが日本に起きており、〇〇によって〇〇の問題点が浮かび上がってくるのです。そのため〇〇について考察する・・・」
このような「本レポートでは~について考察する」という形で全体像を伝えていくことで、大学の先生も見やすいレポートに仕上げることができます。
基本的に全体像を伝えるときは「目的のあと」に書き出していくことで、うまく文章をつなげていくことが可能です。
また「〇〇を論じるためには、〇〇についても考えないといけない」などの何を議論していくのかを明記することで、さらに評価が上がるレポートにすることができるのです。
レポートの書き出し(序論)注意点3選!
レポートの序論では、研究の問題点を述べるときに難しい専門用語を使うときがあります。
また、序論が長くなりすぎてしまい「自分のレポートの目的」を先延ばししてレポートの評価を下げてしまうことがあるのです。
そこで、ここからは「レポートの書き出し(序論)注意点3選!」について解説していきます。
レポートの書き出し注意点①誰にでも分かりやすく説明していく
序論を書き出していくときには「研究論文」や「トピック」を紹介していくことから始めていきます。
そのため、その研究に詳しい分野の人ではないと「何の話をしているのか」分からなくなってしまう傾向があるのです。
また、同じ学科でもジャンルによって派生していくことが多いため、誰が見ても説明できるように書き出していく必要があります。
例えば「化学物質について」「社会の〇〇というキーワード」など、その問題点に着目しないと分からないキーワードには、必ず説明を入れるようにしていきましょう。
これらは、大学の先生が「議論の目的」と知るために必要な作業です。
研究論文を書き出していく際には、最初に大きな問題を取り上げる。
そして、その問題のどの部分に着目して考察を述べていくことで、大学の先生が読みやすく、興味が惹かれるレポート内容となっていきます。
レポートの書き出し注意点②レポート目的の動機を忘れないこと
「質の高い書き出し方にしたい」という思いから、先行研究ばかりを意識した書き出し方になってしまうこともあります。
しかし、先行研究を書き出しても、その先行研究から得た「自分の考え」を書き出していかないことには話が進んできません。
そのため、先行研究の紹介だけではなく「その研究の問題点」について言及していくことで、序論も書き出しやすくなっていくのです。
また「この研究結果から〇〇することができるのではないかと考察する」など、自分のレポートの実験をアプローチしていくことが可能になります。
レポートの書き出し注意点③自分の意見を述べない
レポートの序論を書いていく上で「考察」を書き出す場面が出てきます。
考察とは、自分が書いたレポートに対して「何を発見したのか」「何を考えたのか」を書いていくことです。
また、考察では「結果の部分との違い」を明確にして書いていくことが大切だと言われています。
考察を書く際の注意点として「自分の感情」などを盛り込んでいってしまうと、考察ではなく自分の感想になってしまうことがあります。
そのため、考察では「レポートを総合的に考えて、何を発見したのか」を書き出していくことが大切なのです。
レポートの書き出しは、バランスと分かりやすさが大切
今回は「レポートの書き出し方」「書き出し方の例」「書き出しにおける注意点」についてご紹介しました。
レポートを書き出していくには
- 5W1Hの法則を大切にする
- 目的をしっかりと明記する
- 序論では「全体像」を書くことが基本
- 専門的な単語は、わかりやすく明記する
上記のことをしっかりと意識していくことで、わかりやすいレポートを書き出していくことができます。
また、5W1Hの法則を守っていくことで序論を書きやすくなるほか、大学の先生が「見やすく・読みやすい」レポートを書くことができるため、レポートの評価を下げることがないのです。
レポートの序論では「全体像」を書き出していくため、本論の部分が変更されれば序論の内容も変更されていきます。
そのため、序論の下書きは最初に書いて、本論の内容をイメージしやすくする。
そして、レポートの内容を全て書き終わった最後に序論の清書をしていくことで、全体的なバランスが整ったレポートに仕上げることが可能です。
「レポートの書き出し方が分からない」「序論の構成にいつも迷ってしまっている」
このように悩んでいる大学生の方は、ぜひこの記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。