無印良品フォントが“安心”を生む理由

序論

本レポートでは、無印良品が用いているフォントデザインが消費者に“安心感”を与える理由を考察する。無印良品といえば、余計な装飾を排したシンプルで中立的なデザインが特徴であり、店舗空間から商品パッケージに至るまで、その統一されたデザイン哲学は多くの人々に支持されている。中でも、視覚的に最も消費者の目に触れるフォントの選定と設計には、企業イメージを形づくる重要な役割があると考えられる。
本論では、無印良品が主に採用しているゴシック体の特徴、可読性や余白設計が視覚的心理に及ぼす効果、そしてそれが企業の“ミニマルで中立的”というブランドイメージとどのように一貫しているのかを分析する。最終的に、フォントという一見些細な要素が、なぜ消費者に“安心”を生むのかを明らかにすることを目指す。