ADHDがもたらす仕事への支障
大学を卒業したばかりで社会人となったいわゆる新卒社員。サービスを受ける側から与える側に変わるり環境の変化や覚える仕事の多さで壁に当たる人は毎年一定数いることである。その中でも発達障害を持つ若者はさらに生き辛さを感じるものである。その中でも、ADHD(注意欠陥多動性障害)を持つ大人は仕事においてどのような支障をきたすのかを述べていくこととする。
ADHDにはどのような特徴があるか。精神科医の福田真也氏は「注意力に障害があってトラブルを生じたり、多動や衝動的な行動をしてしまう問題である。注意力には持続すること、いくつかの対象に注意を分配できること、状況に応じて注意を転換できることの三つの側面があり、それぞれに問題があると不注意でとんでもないミスをしてしまう、遅刻が多い、よく物を失くす、複数の課題をこなせない、提出物が期限に間に合わない、時間管理ができない、好きなゲームには没頭できるが 90 分授業には集中できない、一寸の刺激で注意が散る、落ち着きがない、待てない、並べない、つい余計なことをしてしまうなどの困難をきたす。」(※1)と具体例を多く述べている。つまり、不注意で気が散りやすく、衝動的に行動してしまう。更に、やるべきことを中々手を付けられない、先延ばしにしてしまうなども特徴のひとつである。こういったADHDの持った者が仕事において起こることは、せっかちである点から、まだ相手が話しているのに途中で質問をはさんでしまう、後先を考えずに行動してしまう、集中力の弱さから相手の指示や話を聞き逃してしまうといったコミュニケーションの弊害がおこる。更に時間管理ができない、先延ばしにしてしまう点から、仕事の優先順位が付けづらく、仕事の経過となるプランを立てるのが苦手なことも特徴としてあげられる。具体的に何をやったらいいのかが分からず、結局先延ばしになってしまうのである。1歩目を踏み出すことができず、期限ギリギリになって焦りだしてしまうのも仕事に支障をきたしてしまうのである。
いくつか記載したようにADHDには上記のような特徴がある。どれをとっても平穏な日常生活ではあまり気付かない点であり、仕事を始め、ビジネスを基盤としたコミュニケーションや業務を行うと、この特性が現れ、壁に当たってしまうのである。そういったことで「生き辛さ」を感じる若者が増えているため、周りのサポートや理解はより一層必須になってくると言える。
【参考文献】
※1 「大学生や成人の発達障害の問題と支援」、福田真也、2014年(http://www.joted.com/journal/v14paper.pdf)