M&Aについて
M&Aという言葉は大多数の人が聞いたことがあると思う。よくニュースなどで賑わしている。直近では2021年の住信SBIネット銀行が新生銀行に対してTOB(株式公開買い付け)を行い成立し子会社化となった。後述するがTOBもM&Aの1つである。その他にもいくつかの方法があるので説明していく。
*1M&A(エムアンドエー)は英語のMergers(合併)and Acquisitions(買収)の略である。合併は、複数企業を1つの企業に統合することである。買収は一方の企業が他社の株式を何らかの方法で買い取ることにより子会社にすることである。このM&Aの具体的な方法としては4つの方法がある。それぞれ説明していく。まずは、株式の売買によるものである。これが最も一般的なのではないか。これにはお互いが合意の上で株式を売買する方法と、時価を上回る価格で株主から株式を買い取ることを公表することによるもの(株式公開買い付け)がある。株式公開買い付けのことをTOBという。またこのTOBも友好的なものと敵対的なものとがある。敵対的なもので有名なのがライブドアのニッポン放送の買収である。次の方法は合併である。合併には2種類がある。1つは新設合併である。これはA社とB社が合併する場合、どちらかの会社がもう一方の会社に吸収するのではなくC社という新しい会社を作ることである。そのためA社とB社は消滅するのである。もう一つは吸収合併である。この場合の多くは大企業が中小企業を飲み込む形になることが多い。次に営業譲渡である。これは会社丸ごとではなく事業の一部や資産の一部を売買することによって行われる。最後は第三者割当増資である。売る方の会社が買う会社に対して新しい株式を発行する方法である。これらの方法でM&Aは行われる。企業がM&Aを行う理由は多岐にわたる。メリットの1つとして買い手は新規事業を一から育てることなく技術やノウハウなどが手に入ることである。一から新規事業を立ち上げると莫大な時間がかかることが予想される。それがなくなるので大きなメリットである。もちろん売り手にもメリットが存在する。中でも財務基盤が強化されることが大きいだろう。特に営業譲渡、第三者割当増資の場合はこの恩恵を強く受ける。
M&Aの種類について取り上げた。新聞・テレビ等で取り上げられるM&Aはごく一部である。今まではM&Aというと外国のファンドが強引に買収するイメージが強かったが、今では企業の成長戦略として用いられるようになってきた。*22020年に日本で成立したM&Aは3,730件である。今後の日本では事業継承の不足が問題視されているため、M&Aが活発になる。2020年はコロナウイルスの影響もあり減少したが今後は年々増加することが予想されている。
*1 株式会社ストライク M&Aとは https://www.strike.co.jp/about_ma/
*2 M&A総合研究所 M&Aの件数は1年でいくつ?2020年コロナ禍でのM&A件数