アドラー心理学における愚痴をこぼす人への対処法

1序論

 学校生活や社会生活、家族や友人等、自身の周囲には色々な性格の人がいる事であろう。優しい人であったり、怖い人であったり、元気な人であったりする等、人によって性格やタイプは異なるものだ。しかし、成長をするに連れ、愚痴をこぼす人も出てくるはず。年齢が低い人程、愚痴ではなく喧嘩が多いが、年を取ると社会のルールや規範等からそう言った事が少なくなり、代わりに不満を発散させる手段として愚痴が使われる事が多い。

2 本論

 愚痴とは何らかの不満やストレスを抱えた事がきっかけで、見られる事が多い。少し言葉を言い換えると、自身のストレスを解消している手段に過ぎない。ストレス解消と聞くと「自身の精神の安定のため」とも聞こえるが、実はこの愚痴には集団の場において、あるデメリットが存在する。それが周囲の人間のモチベーションを下げると言う事だ(※1)。

 モチベーションの低下は、作業効率を低下させてしまう特徴がある。つまり、目的達成のためにチームで取り掛かっても、愚痴によるモチベーション低下により、目的達成が困難になる可能性がある。また、度重なる愚痴により、人間関係に亀裂をもたらす場合も考えられなくない。

 それでは愚痴に対してどういった手段を取れば良いのか。それは大きく分けて3つある。一つ目は楽観的になる事。二つ目は注目しない。三つ目は直接やめてほしいと伝える事。アドラー心理学では、愚痴にはあえて注目しない考えがあります。その行動を部分的に見ると、愚痴を注目するかしないかは自身に決める権利がある。そのため、愚痴を雑音と考えれば多少肩の荷が降りる事であろう。また、フランスの哲学者のアランは「悲観主義は気分に属し、楽観主義は意志に属す」と述べている(※2)。つまり、どんなに愚痴をこぼされる状況でも、「気にせず、今日も頑張ろう」と考えるだけで、楽観的になる事ができる。これも「愚痴に注目しない」と同じで、自身の考え方を変える事で、楽観的になる事が可能だ。

3 結論

 愚痴に対し、アドラー心理学を取り入れて対処する場合、こちらの考えや意識を変えていく事が重要である。直接やめてほしいと伝える事は一番手っ取り早いようだが、社会的な立場によっては一番困難になってしまう。しかし、意識や考え方を変える事は誰にでもできる事である。そのため、愚痴をこぼす人でも自身が変わる事で、相手の愚痴の頻度等も変わっていく事であろう。

4.参考文献

・悩みが消える「勇気」の心理学 アドラー超入門

著  永藤かおる

監修 岩井俊憲

(※1)P206 

(※2)P207

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