東アジアとインドの哲学の伝統は、その古い歴史の中で、独自の知恵を生み出してきた。この2つの地域の思想の流派を比較することで、両者の哲学の共通点と相違点をより深く理解することができます。本稿では、東アジアとインドの哲学の違いという問題提起から、主な論点をより深く考察し、最後にその結果をまとめたいと思います。
東アジアとインドの哲学諸派の比較研究の最大の難点は、各派の特殊性が複雑で一般化しにくいことである。さらに、それぞれの哲学の相対的な価値をどのように評価するか、あるいは比較のためにどのような方法論を採用すべきかという問題は難しい。
この比較研究の大きな問題は、東アジアの哲学諸派については、東アジアの文献は漢字、インドの文献はサンスクリット文字という文字の方向の違いから、適切な翻訳資料がないことである。最近、東アジアの哲学諸派に関心が集まっているが、包括的な比較はまだ確立されていない。
出発点として、まず東アジアから、両地域の古典哲学を見ていくことにする。東アジアの古典的な思想の最大のものは儒教であり、人文主義を重視し、年功序列、善政、正義、祖先、孝行などを重んじる。儒教以外の東アジアの二大思想派は道教と仏教であり、それぞれ自己の修養と人生の諸要素の調和を提唱している。
インド側では、宇宙の本質がブラフマンとアートマン、すなわち「自己」によって成り立っていると提唱するヴェーダンタが主要な思想家である。アドヴァイタ・ヴェーダンタは宇宙を一元的に解釈し、ドヴァイタ・ヴェーダンタは二元的に解釈することを主張する。ヴェーダンタ以外にも、仏教、ナーヤ派、サムキヤ派、アルタシャストラ派など、インドで影響力のある哲学の諸派がある。仏教は、東アジアの仏教と結びつけられることもあるが、苦しみを和らげ、八正道を歩むことを提唱している。ニャーヤは認識論の一派で、主に論理と真理の追求に焦点を当てる。サムキヤは違いの数とその属性の評価に関心を持ち、アルタシャストラは古代インドの倫理思想の定番である。
結論として、東アジアとインドの哲学諸派の包括的な比較・評価はまだ確立されていないが、儒教、道教、仏教、ヴェーダンタ、ナーヤ、サムキヤ、アルタシャストラなど、各派の基本的特徴を理解することは可能であろう。また、東アジアとインドの哲学の大きな違いは、その方法論にあるが、十分に翻訳された資料がないため、これらの方法論が正しく評価されるには至っていない。
