『自由と公正』
自由と公正は社会哲学の二大テーマであり、我々が社会を理解する上で欠かせない概念である。自由は自己決定能力を有し、他者の干渉がない状態を指し、自己の思考・行動・表現を自由に行う権利である。公正は、平等・公平・正義などによって人々が同等に扱われる社会的状態・観点を表し、不正な差別がない社会的秩序を広める政策を指す。
自由と公正は互いに相関し合っており、偏った自由は不公正な社会を起こし、公正に欠ける社会では不自由な生活を強いられることになる。よって、一つの側面を追及するか、バランスをとることが必要である。
現代日本社会において、中高年層は財産・職務・人脈を有しており、その繁栄を享受している一方、若者は長時間労働や非正規雇用で経済的・社会的基盤を確立することが困難になっている。このような背景のもと、若者が抱える問題としては、自由と公正の両面から分析することができる。
まず、自由の面から見ると、若者は雇用情勢の悪化によりキャリア形成が困難である。正規雇用にはなかなか就けず、非正規雇用の待遇やキャリアアップのチャンスが制限的であるため、自分の意思で進む方向に進むことができず自由に判断する余地がない。また、高額な教育費を負担しながら学歴だけでは十分に求職できない状況にあるため、経済的な自由が縮小されている。
一方、公正の面から見ると、若者は社会保障制度の未整備により、苦しい経済状況に陥ることがある。社会保障制度不備により、病気や災害に遭った際に対処できないケースが増えている。また、公共サービスや設備を抑えるために、若者や低所得者向けの支援制度が抑制されていることも問題である。
このような状況を踏まえたうえで、自由と公正の改善策として、以下3つの提案をする。
一つ目は、若者のキャリア形成の促進である。景気回復に伴い、若者の雇用環境の改善を促し、キャリア形成のための環境と支援を整備することが必要である。一例として、政府が中途採用枠を設けて若者が正規雇用に就くきっかけをつくることや、学生に副業改革の機会を与えることがあげられる。
二つ目は、社会保障制度の充実である。医療費の負担軽減や住宅支援制度の拡充、教育支援予算の増額など、若者や低所得者が安心して生活できる制度を整備することが必要である。
三つ目は、社会に対する情報公開を推進することである。若者に対して、社会の状況や制度の歪みについて、正確な情報を提供することが重要である。そのため、国や民間団体が開催するイベントやネットワークなどを活用して、情報共有の場を増やすことが望まれる。
以上のように、自由と公正をバランスよく求めることが重要であり、若者にとっても自由と公正が保てる改革が必要であると言える。社会哲学においても、自由と公正という2つのテーマを通じて、自己と社会との関係を深く考えることが求められている。