「人類の歴史における未知の影響力」
人類は数万年の進化の過程で、自己の力を増大させ、地球上のあらゆる面に影響を与えてきた。しかし、人類の進展は大抵、自己に有利な方向に向かっている。他方、人間が持つ未知の力が、本人の意図とは別に、その周囲に影響を与えるケースがあることも明らかになってきている。
最も代表的な例は、現在まで未だ解明されていない「大量絶滅」である。考古学的な調査により、地球上の生物種は定期的に相次いで絶滅していることが明らかになっている。その原因として、気候変動、大型隕石落下、火山噴火等が挙げられている。しかし、それらのどれが大量絶滅を引き起こしたかは未だ確実に特定されていない。
このような未解明のケースは、「人類が想像する以上に、未知の力が人間による進展に何らかの影響を与えている」という仮説を裏付けるものである。もし、人間がもっと長期的、全体的に見渡せる視点を持ち、地球システムに対するより効果的な態度を取れば、これらの未知の力が人類自体により善意的な結果をもたらすかもしれない。
また、人間の文化、風習、社会規範も未知の力に影響されることがある。何らかの技術、疾病、政治や経済の変化等は、前例がない場合、混乱や社会変革をもたらす可能性がある。
このような局面では、人間が取る反応が、全体の影響を大きく決定づける場合がある。歴史上の例では、ローマ帝国がその崩壊を迎えた原因について、論争が続いている。知られている事実は、内部の政治的対立、軍事力、経済的要因等様々であるが、未知の力が一部で影響を及ぼしていた可能性もある。
このように、人類が現在行っている行動が、未知の力によりどのような結果をもたらすかを、推測することは不可能である。しかしながら、我々は、その力が現在の生き物に純粋な善意的な結果をもたらすことができる可能性もあると考えることができる。そのためには、人間が全体として長期的、持続可能な視点から生きるようになる必要がある。それが、未知の力によって引き起こされる混乱や変革という、人間にとってはリスクのある事象と対処する手段の一つになるのではないだろうか。