ワーキングプア問題による格差拡大
日本経済において、コロナ以外の経済問題として指摘されるべきものの一つが、ワーキングプア問題による格差拡大である。ワーキングプアとは、働きながらも生活が貧困に陥ってしまっている人々を指し、その数は増加の一途をたどっている。
ワーキングプア問題の根本にあるのは、格差の拡大である。実際、日本では経済成長や社会保障制度の充実により長らく格差縮小のトレンドが続いていたが、近年は格差が再び拡大している。その原因は複数あるが、大きな要因の一つが、経済におけるグローバル化である。グローバル化によって多くの企業が海外に進出し、投資や製造が進み、企業の収益が上がった一方で、一部の国民にしか恩恵が及ばず、格差が広がっていった。
また、グローバル化によって実現された自由貿易に伴い、賃金競争が起こり、安売り競争が激化した。これによって企業はコストカット策を強化し、賃金や福利厚生の削減が行われるようになった。その結果、労働者の負担は増え、ワーキングプア層は拡大の一途をたどっている。
さらに、日本の社会保障制度にも問題がある。年金や医療保険、失業保険などの社会保障制度は、一部の企業や労働者にしか恩恵をもたらしていない。特に、ワーキングプア層は制度の対象外となることが多く、社会保障の不十分さが彼らの貧困を深めている。
以上のような背景から、ワーキングプア問題に対する解決策が求められている。まず、グローバル化を進めながらも、企業や政府が責任を持ち、ワーキングプア層への支援を強化することが必要である。賃金や福利厚生を充実させ、ワーキングプア層が働きがいをもって、生活が安定することができる社会を作ることが求められている。
また、社会保障制度の見直しも必要である。社会保障制度を広げ、ワーキングプア層を含めた全ての国民に恩恵が及ぶような制度を構築することで、社会全体の安定と貧困の解消を目指すことが求められている。
以上のように、ワーキングプア問題はコロナ以外の経済問題として深刻な社会問題である。格差の拡大を防ぐために、企業や政府が責任を持ち、支援策を強化することが求められる。また、社会保障制度の見直しも必要であり、全ての国民が恩恵を受けられるような制度を作ることが求められている。