財政政策への期待と課題――効果的かつ持続可能な財政政策の必要性について

はじめに

現代の経済は、グローバル化、環境問題、AI・ロボット化に伴う生産性の向上など、多様な要因によって大きく変化しています。こうした環境の中で、財政政策は、景気回復への寄与や社会福祉等の充実など、多様な役割を担っています。本レポートでは、財政政策に関して、その期待や課題について考えていきます。

財政政策が目指すべきもの

財政政策には、景気安定・成長、国民生活の充実、社会福祉の向上、国際貢献などの目的があります。特に、景気安定・成長への寄与は、経済が発展していく上で必要不可欠です。しかし、財政政策の効果を考える上で、財政金融諮問会議が示した「財政政策の持続可能性に係る指標」を挙げてみても、財政政策がその目的を達成するためには、財政政策の持続可能性についても考慮する必要があります。

財政政策の課題

財政政策にかかる課題には、財政健全化、社会保障制度改革、広がる格差と貧困、男女格差の是正、地方分権と中央財政の関係改善などがあります。

財政健全化は、財政が持続可能でなくなる可能性があることに対して、公共債務の削減や歳出削減、税収増加策などを実施して行うことが必要です。また、社会保障制度改革には、高齢化に伴う医療費・介護費の増加や、少子高齢化に伴う年金制度の問題に対して、現状維持ではなく、改革によって将来世代に負担を押し付けないようにすることが求められます。

広がる格差と貧困に対しても、財政政策によって支援を行うことが必要です。特に、低所得者や高齢者、障害者などを支援するために、社会福祉支出の充実が求められます。

男女格差については、女性が職業と家庭の両立をしやすいよう、育児休暇・介護休暇の取得を促進したり、男女同一賃金の推進などが必要かもしれません。

地方分権と中央財政の関係改善については、地方自治体が実現するサービスや施策を国に正当に評価させる必要があります。また、地方自治体が経済や福祉などに対して十分な財源を確保できるよう、「自治財源の拡大」や「税源移譲」などの施策が必要となります。

財政政策の今後の課題

今後の財政政策に必要なこととしては、財政拡大による景気刺激はもちろん必要ですが、当然それには財源の確保が必要です。この点では、税制改革が必要であり、消費税率の引き上げにより得られる税収を含め、現行の税制について見直しをして行くことが必要となります。

また、社会保障制度改革については、将来的には距離医療やテレワークなどの医療制度の改革が求められ、国際化、高齢化時代にマッチした施策を展開することが必要です。

まとめ

本レポートでは、財政政策に関して、その期待や課題について考えてきました。財政政策の機能としては、景気回復への寄与や社会福祉等の充実など、多様な役割がありますが、効果的かつ持続可能な財政政策の必要性についても考えられる必要があります。今後、課題をしっかりと把握し、効果的な政策を展開し、社会の発展に貢献すべく取り組んでいくことが必要です。