芸術は人類の文化的な表現であり、その歴史は紀元前3万年以上前までさかのぼる。このレポートでは、芸術の歴史を、題材や技術を中心に、西洋を中心に紹介する。
古代ギリシャとローマでは、彫刻が主な芸術形式であった。自然主義的な表現で知られる古代ギリシャの彫刻は、人体の美しさや力強さを表現したもので、その影響は今日まで続いている。一方、ローマの彫刻はさらに実用的で、建築物や公共施設の装飾に活用された。
中世ヨーロッパでは、キリスト教の影響が強く、建築や絵画が主な芸術形式であった。教会の壁画やステンドグラスは、信仰の教えを視覚化する役割を果たした。また、ゴシック様式の建築は、高い天井や尖塔、華麗な装飾が特徴で、宗教的な意味合いとともに、美学的な価値を持っていた。
ルネサンス期(15〜16世紀)には、芸術家たちは自然観察に基づいたリアルな表現を追求した。イタリアの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロは、人物画や彫刻などで、精密な描写力と芸術性を兼ね備えた作品を生み出した。また、この時期にはオランダで、静物画や風景画など独自の美術様式が発展した。
18世紀のバロック様式は、豪華な装飾や過剰な表現で知られる。宮殿や教会の内部装飾には、金や銀、大理石など高価な素材が使われ、圧倒的な存在感を放っていた。有名なバロックの画家としては、スペインのベラスケスや、フランドルのルーベンスが挙げられる。
19世紀に入ると、印象派が興る。印象派の画家たちは、風景や都市の風景を、光や色彩によって表現した。具体的な描写を求める従来の芸術様式とは異なり、どこか抽象的であるが、印象派の作品は、その印象や感覚をより正確に表現することに成功している。
20世紀以降には、様々な新しい芸術様式が生まれた。キュビズム、抽象表現主義、ポップアート、ミニマリズムなどがあり、いずれも従来の芸術様式に挑戦するものであった。また、現代美術では、さまざまな新しい技術が用いられるようになり、ビデオアートやインスタレーションなどの現代的な表現方法が注目を集めている。
以上、西洋の芸術史を題材や技術を中心にまとめたが、芸術は地域や時代によって異なるスタイルがあり、他の地域や文化についても深く掘り下げることができる。