「芸術から見る世界の歴史」

「芸術から見る世界の歴史」

芸術は、人類の誕生以来、生命の輝きや喜び、悲しみや苦悩、美や愛など、様々な感情や思考を表現する媒体であった。そして、芸術作品は、時代や文化、社会、政治、宗教などの意義を含め、その制作背景や過程や描かれた主題によって、その歴史を物語る「鏡」でもある。このレポートでは、芸術の歴史を主に、西洋美術史、東洋美術史、タンゴとジャズの音楽史、映画史、デジタルアート史の順に、紹介する。

西洋美術史は、紀元前3000年頃、エジプトやメソポタミアに象形文字や壁画、石像の制作が始まり、グリーク・ローマ時代には、人物や風景を立体的かつ写実的に描写する技術が発展した。そして、キリスト教文化の興隆により、ビザンティン・ルネサンス、ゴシック様式、ルネサンス芸術、バロック様式、ロココ様式、新古典主義、印象派、フォーヴィスム、キュビスム、シュルレアリスム、抽象表現主義、ポップアート、ミニマリズム、コンセプチュアルアートなどの様式や流派が生まれ、現代美術へと至っている。

東洋美術史は、約5000年前の中国古代時代から始まり、陶器、玉器、銅器、石刻、木刻、水墨画、油彩画、書道、茶道、禅宗、人々の美意識や哲学の影響を反映し、多彩な表現様式や美学が育まれた。そして、日本や韓国など周辺国でも、独自の美術文化が発展し、中国にも影響を与えた。また、20世紀には、アジア・アヴァンギャルド運動、東方主義、ポップ・アート、被差別民族アート、現代文化の融合なども登場している。

タンゴとジャズの音楽史は、南アメリカのアルゼンチンで誕生したタンゴは、歓楽街や移民社会で育まれ、20世紀初めには、ヨーロッパや日本にも伝わり、踊りとともに愛好された。一方、19世紀末のアメリカで誕生したジャズは、アフリカ系アメリカ人の音楽文化や軍楽隊の伝統、地域的なスタイルの融合によって、ブルースやスウィングなどのスタイルを経て、多様なジャンルへと進化している。

映画史は、19世紀末の動画技術の発明によって、1895年にフランスで誕生した映画が、世界的なエンターテインメントとして愛されるようになった。映画は、ドキュメンタリー、フィクション、アニメーションなど、多様なジャンルや手法によって、知識や感性の共有や社会問題の提起、人々の心を揺さぶる物語を生み出す。そして、映画は、観客との共感や反響や批評的評価なども含め、人々の意識にも影響を与え、文化的、歴史的なストーリーを表すこともある。

デジタルアート史は、コンピュータ技術の進歩により、20世紀末に現れた新しい形態の芸術だ。デジタル技術は絵画や彫刻、建築、動画といった従来の芸術やデザインの表現を大幅に変え、それに呼応して彼らもまた新たな方向へと進化を続けている。オンライン上での公開やSNSを通じての発表が今では一般的になり、時代の変化を反映して発表の場も多様化していくことが予想される。

以上、芸術による世界の歴史を紹介した。明治の日本では、芸術家たちが西洋由来の芸術を取り入れ、新たな日本画が誕生したほか、民俗芸能や映画なども生まれた。現在では、世界中の人々が自らの感性を表現し、それを鑑賞することで、芸術の反映である世界を知ることができ、そのことが私たちを多様な文化、歴史、人間性を抱き合わせた社会へと導いている。

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