鎌倉時代における政治・社会の変化と文化の発展
鎌倉時代は、1192年に源頼朝が征夷大将軍に任命されて開始された時代である。その後、鎌倉幕府が成立し、源氏の支配体制が確立したことにより、政治・社会・文化が大きく変化した。
政治面においては、鎌倉幕府が江戸時代まで続く武家政権として、日本の政治史上重要な位置を占める。幕府の中心人物である御家人は、従来の貴族社会から軍事的な能力を重視されるようになり、侍という身分が新たに生まれた。そして、幕府は領主制度を整備し、御家人が領主となることを認めたことにより、地方統治が強化された。
社会面においては、鎌倉時代には、農業・商業・手工業が発展した。幕府による平和な社会背景の下、農民が一定水準の生産力を維持できる環境が整えられ、商工業が拡大した。また、階級の流動性が高くなったことにより、貴族や平民といった身分の垣根が壊れ、庶民が徐々に地位を上げることができるようになった。
文化面においては、平安時代の貴族文化から徐々に変化が起こり、庶民の文化が発展するようになった。このような背景の下、鎌倉時代には、「歌物語」「物語」などの物語文学や「南都物語」「吾妻鏡」などの歴史文学が生まれた。また、「年中行事」など、庶民の生活風俗について記した文献が多数ある。
また、鎌倉時代には、禅宗や浄土宗といった新しい宗派が生まれた。これらの宗派は、平安時代に生まれた律宗・真言宗とは異なり、広く一般人に受け入れられた。
このように、鎌倉時代は政治・社会・文化の面で様々な変化をもたらした時代である。その中でも、文化の発展は、平安時代に比べ一層広範な層に浸透し、日本文化の発展に大きく貢献したといえる。