「ゲーム理論:不完全情報ゲームにおけるナッシュ均衡」
はじめに
ゲーム理論とは、競争関係にある相手との最適な戦略を考えるための枠組みである。ゲーム理論では、複数のプレイヤーが互いに影響しあい、それぞれが自分にとって最善の行動をとることを前提に、プレイヤーの行動決定について理論的に分析する。本レポートでは、不完全情報ゲームにおけるナッシュ均衡について述べる。
不完全情報ゲームとは
不完全情報ゲームとは、各プレイヤーが対戦相手について知りうる情報が限定されており、完全に理解をすることができないゲームのことを指す。例えば、トランプのようなカードゲームでは、自分が持っているカード以外には相手が何を持っているかは分からず、「それぞれのプレイヤーは、相手の手を観察することで自分の手の価値を把握し、プレイする」というように行動する必要がある。
ナッシュ均衡とは
ナッシュ均衡とは、ゲーム理論において一般的に用いられる基本的な概念のひとつである。ナッシュ均衡とは、各プレイヤーが相手の行動を予測し、その予測に基づいて自らの行動を決定することで、プレイヤー全員がお互いにとって最適な戦略をとる状態であり、プレイヤー全員が互いの行動を調整している状態を示す。
不完全情報ゲームにおけるナッシュ均衡
不完全情報ゲームにおいては、プレイヤー同士が直接的に行動を交換することができないため、それぞれが持っている情報に基づいて自分自身の行動を判断しなければならない。そのため、ナッシュ均衡は重要な概念となっている。
不完全情報ゲームにおいて、プレイヤーが互いに完全な情報を持っていない場合には、各プレイヤーの行動は完全戦略ではなく、混合戦略という形態をとることがある。混合戦略とは、特定の確率である行動を取ることを決定する戦略であり、それぞれのプレイヤーが混合戦略を用いた際に、ゲームに対する最適な反応をとることでナッシュ均衡に達することができる。
まとめ
不完全情報ゲームにおいて、各プレイヤーが異なる情報を持っているため、ナッシュ均衡を求めるためには、混合戦略という手法を利用することが必要である。因みに、不完全情報ゲームは、日常生活の様々な場面で利用されており、競合入札、ブランド選択などに応用されている。