【序論】
本稿の目的は、ソーシャルメディア・プラットフォームが若者の社会参加に与える影響を調査することである。ソーシャルメディア・チャンネルが、若者の社会参加や市民参加をどの程度増加させるのか、あるいは減少させるのかを調査する。近年、ソーシャル・ネットワーキング・サービス（SNS）は若い世代に人気のコミュニケーション・ツールとなっており、社会運動を動員するその能力は世界的に大きな影響を与えている。しかし本研究では、このようなプラットフォームの利用が、従来の社会参加の形態を促進するのか、あるいは阻害するのかを探る。量的および質的研究アプローチを採用することで、SNSの利用パターンと、それが若者の社会参加とどのように関連しているのかについて、重要な洞察を提供する。本研究で得られた知見は、政策立案者や、若者の市民社会への参画を強化することに関心を持つその他の関係者に、重要な提言を提供するものと期待される。
【本論】
ソーシャルメディアが若者の社会参加に与える影響に関する文献を見ると、こうしたプラットフォームが若者の社会参加や市民参加に与える影響について、さまざまな見解があることがわかる。一方では、ソーシャルメディアの支持者は、SNSは青少年にアクセスしやすく包括的なコミュニケーションと情報共有の手段を提供することで、社会的相互作用、市民参加、民主的関与を促進すると主張している。さらに、若者はより広範な仲間のネットワークとつながり、社会正義と改革の促進を目的とした社会運動に参加することができる。 その一方で、ソーシャルメディア・プラットフォームは、ボランティア活動や地域イベントへの参加、政治運動への参加など、伝統的な市民参加の形を妨げているという批判もある。彼らは、オンライン・アクティヴィズムが誤った達成感を生み、具体的かつ持続的な社会参加や市民参加へのモチベーションを低下させる可能性があると指摘する。また、ソーシャル・メディアはソーシャル・バブルを生み出す可能性があり、そこでは同じような考えを持つ人としかコミュニケーションがとれず、多様な考えや視点に触れる機会が減ってしまうとも主張している。 こうした主張を調査するため、本研究では、様々な社会経済的背景を持つ多様な若者のサンプルからデータを収集するために、調査、フォーカスグループ、インタビューを含む混合法のアプローチを採用している。本研究では、ソーシャルメディアの利用と、投票、地域集会への参加、ボランティア活動など、市民参加のさまざまな側面との関係を検証している。調査結果は、これらの主張に対する新たな洞察を提供し、若者のソーシャルメディア利用と市民参加の間の複雑で微妙な関係を明らかにする。本論文は、この研究に基づき、ソーシャルメディアと伝統的な市民参加の形態を通じて、若者の市民参加を強化することを目的とした政策提言を行う。
【結論】
結論として、本研究は、ソーシャルメディア・プラットフォームが若者の社会参加にプラスとマイナスの両方の影響を与えることを示した。ソーシャルメディアは、若者を社会運動に動員する上で効果的であることが判明しているが、伝統的な形態の市民参加には限定的な効果しかない。我々の調査では、若者の市民社会への参加を強化することを目的とした政策を立案する際には、若者のソーシャルメディアの利用パターンを考慮する必要があることが明らかになった。政策立案者やその他の利害関係者は、若者の参加をこうしたプラットフォームにのみ依存するのではなく、伝統的な社会参加の形態を支援するためにソーシャルメディアをどのように利用できるかを理解することが推奨される。全体として、この研究は、今後より包括的な社会を構築するために、市民社会における若者の参画の重要性を浮き彫りにしている。
