【序論】
本論文では、東南アジア地域における複数文明の比較研究に焦点を当てる。東南アジア地域は、インド文化圏、中国文化圏、イスラム文化圏など複数の文化的影響を受けた地域であり、独自の文化発展を遂げてきた。本論文では、文化発展の中でも重要な役割を果たした２つの節に着目する。一つは、宗教節である。インド文化圏の仏教、ヒンドゥー教、イスラム、キリスト教や、中国文化圏の道教、儒教、仏教など、多様な宗教が東南アジア地域に拡がっていった。これらの宗教が地域の文化や社会に与えた影響を比較することにより、東南アジア地域に及ぼした影響や文化交流の様子を把握することができる。もう一つは、農業節である。東南アジア地域は、湿地帯やジャングル地帯などの気候風土に適応して、多様な農業が発達してきた。こうした農業が地域の文化と経済発展に与えた影響を検証することにより、東南アジア地域の特色を把握することができる。文化的背景や社会的環境とともに考察することで、東南アジア地域の歴史と文化の理解を深めていく。
【本論】
考察の一つ目である宗教節に注目すると、東南アジア地域には多様な宗教が拡がっていったことが言える。これらの宗教が地域の文化や社会に与えた影響について比較することで、東南アジア地域に及ぼした影響や文化交流の様子を把握することができる。たとえば、仏教は多くの国々で広まり、神仏習合や民間信仰との融合など、独自の形態を形成した。また、イスラム教も広がり、マレーシアなどではマレー民族の文化に取り込まれる形で発展した。これらの宗教が地域の文化に及ぼした影響について比較することで、東南アジア地域の宗教的背景や文化的交流の様子を明らかにできる。 二つ目の農業節では、東南アジア地域が湿地帯やジャングル地帯などの気候風土に適応して、多様な農業が発展したことが指摘されている。たとえば、インドシナ半島では、湿地帯においては稲作が主流であり、降水量の少ない地域では断続的な灌漑農業が行われた。このような農業が地域の文化や経済に与えた影響を検証することにより、東南アジア地域の特色を把握することができる。また、農業の発展とともに交易や都市の発展も進んでいったことが指摘されている。 以上のように、文化的背景や社会的環境とともに考察することで、東南アジア地域の歴史と文化の理解を深めていくことができる。また、これらの考察は現代の東南アジア地域においても有益な知見を提供することが期待される。
【結論】
本論文では、東南アジア地域で発展してきた複数文明の比較研究に焦点を当て、宗教節と農業節という２つの重要な役割を果たした節に着目する。多様な宗教や農業の発展が地域の文化や社会に与えた影響を比較・検証することで、東南アジア地域に及ぼした影響や文化交流の様子を把握することができる。また、文化的背景や社会の環境とともに考察することで、東南アジア地域の歴史と文化の理解を深められると考えられる。
