【序論】
本論文は、後ウマイヤ朝期における政治・文化交流の展開とその影響について検討する。後ウマイヤ朝期は、イスラム世界においてアッバース朝期の登場前にあたり、多様な文化交流が行われていた時期である。この時期には、ウマイヤ朝を中心にアラブ・ペルシア・ビザンツの影響が交錯しており、政治・文化的な交流が盛んに行われていた。また、この時期には相次いで起こった内乱・分裂もあったが、これらの混乱も政治的に、文化的に交流が促進される契機ともなった。そこで本論文では、このような背景を踏まえて後ウマイヤ朝期における政治・文化交流の実態を明らかにし、その影響について考察する。具体的には、各地域の影響や、芸術・文学・建築などの文化面からの影響、政治における確執とその背景などを取り上げ、相互の影響関係について考える。これにより、後ウマイヤ朝期の多様な交流により形成された文化的・政治的な特徴を明らかにすることができると考える。
【本論】
後ウマイヤ朝期における政治・文化交流は、多様な影響を持ち合わせていた。当時のアラブ・ペルシア・ビザンツの文化的背景が交錯したため、文化・芸術・建築などの面においても相互の影響が見られた。例えば、アッバース朝の時代に現れたバスラ学派が、言語や文化の異なるアラブ人・非アラブ人の間での交流を通じて生まれたとも言われている。また、後ウマイヤ朝期には、ピラミッド形式の建築がペルシアから取り入れられたとされている。 一方で、政治的には多くの内乱・分裂が起こった。しかし、これらの混乱も政治的・文化的な交流が促進される契機となり、政治においても影響が見られた。例えば、ウマイヤ朝内部での確執は、後ウマイヤ朝期においてイスラム教の異端であるシーア派の登場に繋がったとも考えられる。このように、政治的・文化的な交流が多岐にわたる影響を及ぼしたと言える。 そのような背景を踏まえ、後ウマイヤ朝期における文化的・政治的な特徴を明らかにするには、各地域の影響や芸術・文学・建築などの文化面からの影響、政治における確執とその背景などを考える必要がある。実際、後ウマイヤ朝期には各地域で相互の文化的・政治的な融合が進み、新しい文化的・政治的な特徴が生まれたと言える。本論文では、これらの特徴について詳細に検討し、その影響・意義を解析することが求められる。
【結論】
本論文は、後ウマイヤ朝期において政治・文化交流が盛んに行われ、多様な影響が交錯していた時期について検討し、その影響について考察するものである。各地域の影響や芸術・文学・建築、政治的な背景などに着目することで、相互の影響関係を解明することが目的である。このような多様な交流により形成された文化的・政治的な特徴を明らかにすることによって、後ウマイヤ朝期の重要性を再評価することができると考えている。
