「日本における高齢者貧困問題―人口超高齢化社会の現実に向き合うために―」
序論:高齢化社会における貧困問題
日本は、世界でも有数の高齢化率を誇り、2100年には人口減少に転じると言われています。その一方で、高齢者の貧困問題が深刻化しています。2019年の厚生労働省の報告によれば、65歳以上の貧困率は13.7%にも上ります。高齢者だけでなく、生活保護を受給している人の割合も増加しており、問題は全体化しています。
本論:高齢者貧困の原因とその解決策
高齢者貧困の原因はさまざまですが、一つは年金制度の問題です。年金は、社会保障制度の中でも最も重要な部分を占めるものの、現在の年金制度は老後の生活を安心して送ることができない人が多い現状です。最低限度の生活が保障される生活保護に頼ってしまう人が、年々増加している現状が報告されています。
また、高齢者を支援する社会保障制度が十分に整備されていないことも問題視されています。福祉事業については、地方自治体の事業課程によって支給額が異なっており、全国で均等に支給されていないという課題があげられます。
それでも、今年10月からは最低限度の年金を全国で給付できる「生活保護管理給付」と言う措置が施行されることになりました。これによって、年金もらえない人でも手続きをした場合には月6万円程度の支援が受けられるようになるとされています。そのような施策前には、何とか生活できる範囲の仕事をがんばり続けるしかなかった高齢者も、少し安心して暮らせるようサポートをするのが目的と思われます。
しかし、政府に求められるのは施策を打つだけではありません。高齢者一人ひとりが生きがいを見つけ、自立して生活を送ることができるよう社会全体で支援していくことが必要です。地域の多様なニーズに対応するためには、社会福祉士等による地域に根差した事業展開が必要になってくるでしょう。また、高齢者自身が譲り合いの心を持ち合わせ、互いに手を差し伸べ合い、協力しあうことも大切です。
結論:高齢者貧困を減らすための取り組み
高齢者貧困の解決には、政府の対策だけではなく、社会全体で協力することが重要です。社会的課題を第一に考え、地域に根差した多様な福祉事業の展開が必要であると思います。政策等の改善は、ときに時間がかかることもあると思いますが、一人ひとりが貢献することで、高齢者貧困を克服していく社会を目指すべきです。