「財政政策の意義と実効性に関する考察」
はじめに
財政政策とは、国家の財政収支を調整する政策のことであり、中央政府が持つ財政手段を活用することで、景気変動に適切に対応することができます。本稿では、財政政策の意義と実効性について考察を行います。
財政政策の意義
一つ目に挙げられるのが、景気変動に適応する役割です。景気変動には、景気の拡大と縮小があります。景気の拡大期には、官民投資が増え、需要が増加するため、一時的に経済成長が促進されます。その一方で景気縮小期には、企業倒産や失業者が増加し、景気全体が悪化していきます。このとき、政府が財政政策を活用すれば、景気変動の波を緩和することができると言えます。
二つ目に挙げられるのがインフラ整備等への財源調達による経済成長への貢献です。財政支出によってインフラ整備を行うことで、就職先も増え、消費税や法人税の増収などが期待できます。また、交通機関の刷新によって、物流業界が活発化し、地方経済の発展も期待できます。
財政政策の実効性
財政支出や減税による財政政策には、以下のような議論があることをまず把握しておく必要があります。
・財政政策が有効とされる最近の経済学的研究によれば、財政出動による利益は限られた場合がある。
・財政支出を増やすことで膨らむ国の負債は、長期的に見ると景気の低迷につながる。
しかし、これらの議論にもかかわらず、財政支出や減税による財政政策の効果は明らかにあるとされます。例えば、2008年に起きたリーマンショックの際には、財政政策による対策が実効性を発揮し、世界的な景気低迷に対応することができました。財政政策や財政支出が生産性向上につながり、景気拡大につながることがあるからです。
また、財政出動の効果が現実にどうかを評価するためには、実際のデータに基づいた数値的分析が必要です。ただし、現代においては金融政策と並行して財政政策を使った補完策の有効性もあることは忘れてはなりません。
結論
財政支出を行うことによって、インフラ整備などを行い、直接的に景気回復につながる貢献があると言えます。その一方で、財政支出のみに頼ることで財政が逼迫し、増税措置を行うことが必要になることがあります。これらはあくまでも一例ですが、財政政策による景気対策は、状況に応じた柔軟な判断が求められると言えます。