対人認知を取り入れたコミュニケーションについて

1.序論

 

 他人と関わる場面について、プライベートであったり仕事場であったりする等、ほとんどの人が他人と関わり生活を送っている。その際、他人とコミュニケーションを取る時に、心理学を取り入れた関わりをする事で、円滑にコミュニケーションを取る事ができたり、より関係性を深めることが可能になる。

2.本論

 人とコミュニケーションを取ることが得意な人もいれば不得意な人もいる。元々、その人が持っているコミュニケーションを取るスキルや性格等が相まって、得意不得意と感じるであろう。

 しかし、心理学には対人認知と言うものがある。この対人認知とは、他者の内面的特徴や心理過程を理解し、推測するための、相手の表情・行動・状況等の様々な情報を処理する過程を示す(※1)。具体的な手法として、相手に何かを要求したい場合、ストレートに要求をする事もあれば、遠回しに要求する事もあるだろう。特に後者の方では、最初に難しい要求をした後にその要求をより簡単な要求をする事で、相手が要求を受け入れやすくなる。これを「ドアインザフェイス法」と言う。反対に、最初に簡単な要求を後により難しい要求をする事で受け入れやすくなる事を「フットインザドア法」と言う。こういった体験は、これらの専門用語を知りえなくても無意識に会社や家庭で行っていた人も多いであろう。

 この「ドアインザフェイス法」と「フットインザドア法」は、ストレートに相手に要求をしにくい場合に有効な手法である。これらは主に、相手への要求や交渉の

場面に使われるが、こういった事を知るのと知らないのとでは、人によってはコミュニケーションが円滑にいかないと悩んでしまう事もある。

 コミュニケーションが円滑に進む事で、より相手と自分とのやり取りの機会も増えていく事やお互いの事を理解しやすくなり、より信頼関係を築ける事にも繋がる場合がある。それ程、対人認知を取り入れたコミュニケーションは重要な事である。

3.結論

 

 対人認知を取り入れたコミュニケーションを取っていく事で、より相手との信頼関係が築きやすくなる。対人認知には要求する場面以外でも、相手を期待し、期待された者がその期待に応えようと頑張っていくピグマリオン効果。他者から注目される事で効果が上がるホーソン効果等、対人認知に関する社会的な行動は幅広い。いずれも対人認知の手法を上手く使いこなす事で、より良い信頼関係が育みやすくなる。

4.参考文献

○社会福祉士国家試験のための レビューブック2019年 (※1)

 編集  医療情報科学研究所

 発行者 岡庭 豊

 発行所 株式会社メディックメディア

 印刷  倉敷印刷株式会社

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