CSR(企業の社会的責任)について 990
近年、CSR(企業の社会的責任)が注目されている。その理由として企業の不祥事が続き今までとは違い法令順守が必要になってきた。また企業イメージも企業の存続するうえで欠かせないものである。CSRはこれらを満たすために大変重要な役割を担っていると言える。CSRの説明から積極的に導入するか否かについても述べていきたい。
CSRとは簡単に言えば企業が活動していくうえで果たすべき社会の役割をのことである。挙げればきりがないが、分かりやすい例をあげるならば、環境保全活動や地域貢献活動である。しかし、よく考えるとこれらをアピールしているのは大企業が中心なのである。では逆に中小企業のCSRの現状は調べてみるとあまり浸透していないのが現実だ。CSRに関する企業方針を策定している企業を数字で表すと2015年と2018年の調査を比較すると大企業は73.4%から77.2%に増加したのに対し中小企業は24.3%から24.1%という結果であった。*1原因は中小企業と大企業を比べると資本が弱い。また規模も小さいためこれらを基に行動を起こしにくい。結果として中途半端に終わってしまうことが考えられる。これは当然と言えば当然の結果である。そのため中小企業ではあまり認知されていないのが現状である。では、どうすれば中小企業におけるCSRが発達するのか。結論として出来る範囲でやってみることである。大金をかけなくてもCSRはできるのである。例えば従業員の能力向上させる、ワークライフバランスを充実させるためにキャリアプランを構成するのもその一つである。これは現在の仕組みを作り直しや新たに作成すれば可能である。環境をよくするために機械を購入するに比べお金もかからない。運用がうまく行けば費用負担もあまり大きくないといえるのではないだろうか。それ以外にも会社近くの道路などの掃除や地元住民との交流会の開催なども言ってみればCSRの一環といえるのである。こういうのは地域住民からも喜ばれることも多い。地域密着を売りにしている中小企業にとってはふさわしいものの一つではないだろうか。
このように、CSRについて論じてきた。中小企業がCSR推進に積極的でない理由は様々である。しかし企業が継続し、その地域で雇用を作ることや納税をすることでも企業の社会的責任を果たしているとも言える。表立ってCSRを意識していない企業もあるので、学生諸君はその企業の従業員数や法人としての納税額も調べたら分かる可能性があるのでそれらにも注目するのも1つの選択肢である。
*1 山田美和 日本企業はCSRへの取り組みを強化し企業価値の向上を 日本貿易振興機構 https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2018/0402/a776877d58250c2e.html