アクィナス(Aquinas, Thomas)の意味
紀元1225頃〜1274。ドミニコ会の修道士で、アルベルトゥス・マグヌスの弟子に当たる神学者。哲学は「神学の婢(ancilla theologiae)」であるかぎりで真なるものである、と考えて神学及び哲学の歴史にその名を刻んでいる。その思想は、アリストテレスの流れを組んでいるといわれることが多いが、特に<不動の動者>や<第一原因としての神>といった観念論的要素を取り入れて、キリスト教を思想的に跡づけた点に特徴がある。また、新プラトン派的な要素も取り込まれており、その思想を一概にアリストテレス的と断定することはできない。いずれにせよ、アクィナスの思想は信仰と理性の調和を目指していることから、神の存在は理性によって証明できる、宗教的真理は論理的に擁護できる、とする。この姿勢は後世の哲学的思考にも色濃い影響を残している。
例文
- アクィナスはイタリアの貴族の家に生まれ、聖職者になることが期待されていた。
- アクィナスは貴族である親族の反対を押して、ドミニコ会に入会した。
- アクィナスの思想の背景には、古代のアリストテレスの哲学がある。
- アクィナスは「神学の婢」であるかぎりでの哲学の価値を認めた。