米国には長い人種差別の歴史があり、その結果、連邦政府、州政府、地方政府において黒人の代表権が不釣り合いであり、不十分なものとなっている。本稿の目的は、米国の民主主義政府における有権者の権利剥奪という現象について理解を深めることである。
投票は米国憲法の根幹をなすものであるが、この国境内に住む黒人のアメリカ人は、何世紀にもわたってこの権利の行使を妨げられてきた。この排除は、有権者登録へのアクセスの制限、有権者の脅迫、特定の州における写真付き身分証明書の厳格な要件など、多くの形態で行われている。結局のところ、有権者の権利剥奪は、州政府や地方自治体における黒人コミュニティの不適切な代表という結果をもたらしている。
米国国勢調査局によると、アフリカ系アメリカ人は全人口の約13％を占めるが、全米の選出議員のわずか2％である。さらに、アフリカ系アメリカ人は議会に1人しかおらず、これは議会全体の2％以下であり、十分な代表権がないことがさらに示されている。このような代表権の欠如は、黒人の問題の代表性を損ない、最終的には黒人社会が民主主義政府の恩恵を十分に受けることを妨げている。
有権者の権利剥奪の問題は非常に複雑であり、多くの場合、異なるレベルの政府間の体系的な人種差別が原因である。このことは、奴隷制と隔離の歴史を持つ州が、黒人の投票権を抑圧することを目的とした法律を制定してきたことからも明らかである。例えば、1965年の投票権法以来、多くの州が、投票者ID法のような一見無害な投票規制を実施し、黒人投票率を不当に低く抑えてきた。さらに、各州はアフリカ系アメリカ人の投票登録をより困難にする法律を制定してきた。
直接的な弾圧以外に、有権者の権利剥奪は、投票所でのアフリカ系アメリカ人有権者の代表権の欠如にも起因している。アフリカ系アメリカ人は、選挙制度への不信感から、選挙当日の投票率がはるかに低く（非ヒスパニック系白人の77％に対し、投票率は29％）、黒人代表の不足をさらに高めている。この代表権の欠如は、黒人系アメリカ人の38％が貧困ライン以下で登録されているため、長時間労働や交通手段の欠如など、投票を妨げる経済的要因にさらされているという事実によって、さらに悪化している。
結論として、米国の民主主義政府における黒人の選挙権剥奪は、制度的人種差別の直接的な帰結であり、米国における大きな問題である。この現象は、議会における黒人代表の不足、厳格な投票規制、アフリカ系アメリカ人の投票率の低さによって証明されている。米国が真に民主的な政治体制を持つためには、黒人コミュニティが憲法で定められた投票権を利用する機会を平等に得られるよう、より多くのことがなされる必要がある。
