「アウフヘーベン」とは?意味や使い方を簡単に解説!

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アウフヘーベン(Aufheben)の意味

本来はドイツ語の動詞であり、現代語では「持ち上げる」・「取る」ないし「終える」・「無効にする」などの意味で用いられる。哲学の文脈ではヘーゲルの弁証法の用語として知られており、この場合には「止揚」とか「揚棄」の訳語が当てられる。たとえば、「私は私である」という自己同一性のテーゼに対して、過去を振り返ってもはや「私は私ではない」というアンチテーゼを考えることもできる。このとき両命題を単に相矛盾するものと見て否定し去るのではなく、「私は(過去の)私ではないが、やはり(新しい)私である」と両者を綜合して対立を解消し新しい命題(ジンテーゼ)に至る思考をアウフヘーベンという。単純に排中律を適用する初歩的な論理学では容易に捉えがたいものの、この<否定の否定>を経て考えるヘーゲルの弁証法的思考においてはアウフヘーベンが多様な問題に援用される。

例文

  • テーゼ(正)とアンチテーゼ(反)から、ジンテーゼ(合)を生み出す弁証法的思考様式をアウフヘーベンと呼ぶ。
  • 相互に対立する二つの見解から、二者択一で一方を選ぶのではなく、アウフヘーベンすることで対立を解消する。
  • アウフヘーベンは一見すると矛盾する二つの考え方を、より高次の命題へと導く。
  • 十字架からの復活を果たしたキリストは、「死の死」でもってアウフヘーベンを体現している。
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