同化と調節の意味
同化とは、外界の情報を新たに取り入れ、既存の枠組みに加えることである。調節とは、同化によって取り入れられた情報が、既存の枠組みにうまく組み込めないときに、その枠組み自体を再定義することである。同化と調節は、Piaget, J. が子どもの知的発達の仕組みについて説明する際に用いた用語であり、シェマ・均衡化といった言葉と共に用いている。シェマとは、物を見たり触ったりすることや、その物に対する定義付けのことである。例えば、赤いリンゴ・固い・おいしいというシェマがあるとする。ここに青リンゴやパイの柔らかいリンゴを同化すると、調節が起こり、成人の持つリンゴのイメージに近づいていく。こうして、認知的に葛藤のない状態に落ち着くことを均衡化と呼ぶ。
例文
・子どもの知的発達とは、同化と調節を繰り返し、シェマをうまく使いこなせるようになることである。
・子どもを観察する際、同化と調節の過程を見ることはよくある。
・調節は、取り入れた情報が既存の枠組みと一致する場合は起こらず、同化で事足りる。
・同化と調節は、均衡化で一度止まり、均衡が崩れた際に、再び行われる。