自己愛の意味
自己愛とは、自分を愛の対象にすることである。ナルシズムとも言われ、湖に映る自分に恋をしたギリシャ神話のナルシスに由来する。精神分析では、リビドー(人の性的エネルギー)が自分に向かうことを意味する。フロイトによれば、人が生まれた直後はリビドーが自分に向けられる。リビドーは成長するにつれて他者に向けられるが、他者に向かうべきリビドーが自分に向かうことがありこれを自己愛と呼ぶ。生まれた直後の自己愛を一次的自己愛、成長後の自己愛を二次的自己愛と言う。自己愛を特徴とするパーソナリティ障害(文化から逸脱したパーソナリティによって生活に支障が出る障害)に、自己愛性パーソナリティ障害がある。自己愛性パーソナリティ障害は、非現実的な優越感・過剰な賞賛の欲求・共感の欠如を特徴とする。批判に対して敏感で失敗を強く恐れる。自己愛性パーソナリティ障害は、自己愛が強いため社会生活に支障が出ることがある。例として、自分の欲求を満たすために他者を利用することで周りからの反発を招きやすい。他者が自分の欲求に答えてくれるとさらに自己愛が強まる危険性がある。
例文
・自己愛が強い人同士の恋愛は危うい。
・リビドーが向かう方向によって自己愛の性質は異なる。
・自己愛が強すぎて人間関係に亀裂が入る。
・今まで競争に晒された人は自己愛の傾向が強まる。