「キチンの波」とは?意味や使い方を簡単に解説!

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キチンの波の意味

キチンの波とは、景気循環サイクルの1つで、平均周期40ヶ月の短期のサイクルのこと。
主な変動要因は在庫投資である。振幅は小さい。
1923年、アメリカの経済学者キチン(Joseph A. Kitchin)が提唱した。
企業は、景気の見通しが良くなり、今後需要が増えるだろうと予測すると、生産を拡大し在庫投資を増やす。原材料の仕入れを増加させ、雇用も拡大させて、その効果は経済全体に波及し景気を押し上げる。その後、景気後退の兆しが見え始めると、今度は需要が減るだろうと予測し、在庫投資を減産し始める。原材料の仕入れを減らし、雇用調整を行ない、景気を下に押し下げる。この一連の流れが、景気変動を引き起こす。
近年では、キチンの波は規模・振幅ともに縮小している。経済全体に占める在庫のウェイトが小さくなったためである。理由のひとつに、IT・コンピュータの発展がある。情報伝達の高速化により受注から生産までの時間が短縮したことや、生産者が販売状況を迅速に把握できるようになったことで、在庫の縮小が可能になった。もう一つの理由は、サービス業の拡大である。サービス業は基本的に在庫を持たないため、在庫の経済全体に占めるウェイトも小さくなっていった。

例文

1年前から続く景気の落ち込みはキチンの波によるものだから、いずれ回復するだろう。

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