固着の意味
固着とは、性発達段階（性的エネルギーのリビドーの所在で発達段階を分けたフロイトの理論）において、リビドーが発散されないことで生じる執着である。
口唇期（0～1歳半）は母から授乳されることが大切であるため、リビドーが口唇に集中する。そのため、授乳による快楽を得ることができないと、執着によって他者への依存を強く求める性格が形成される。
肛門期（1歳半～3歳）は適切なタイミングで排泄することが求められるため、リビドーが肛門に集中する。排泄による快感を得られないと、快感を得るために排泄を我慢する。そのため、頑固・倹約・几帳面な性格が生じる。
男根期（3～6歳）は性差に意識が向き始める。リビドーは男根（男児はペニス、女児はクリトリス）に集中する。男根期には、エディプス・コンプレックス（男根期の葛藤で、超自我の形成、親への同一視、性役割の獲得につながる）が生じる。そのため、固着によって性役割の混乱が生じる。
例文
・依存的な性格は、口唇期の固着によるものだろう。
・幼いころに母親に甘えられないことで固着が生じる。
・性発達段階のポイントは、リビドーの所在と固着である。
・フロイトの理論において、性格は固着が起こる時期で説明できる。
