「モデリング」の意味
モデリングとは、観察学習のことであり、モデル(対象となる他者)を観察することで代理経験が得られ、新しい行動の学習が行われることをいう。
モデリングは、Bandura, A. によって、社会的学習理論の中で提唱された言葉である。
Bandura, A. & Ross, S. A. の「ボボ人形の実験」が有名で、大人が人形に暴力を振るう場面を子どもに見せると、子どもの人形への攻撃行動が増えたという実験である。
目の前にモデルがいる条件、モデルを映像で見る条件、モデルをアニメで見る条件、モデル無し条件の順で攻撃行動量の平均が高くなると報告されている。
モデリングの原理に基づいて開発された認知行動療法に、モデリング療法がある。
適応行動の教示、適応行動の映像や実演の観察、相談室などでのリハーサル、実践練習といった流れで治療が行われ、不適応行動の除去と適応行動の学習を目的とする。
「例文」
・経験は直接経験と代理経験の2種に分けられ、モデリングは後者にあたる。
・モデリングは、ソーシャルスキルトレーニングに取り入れられている。
・ゲームやアニメの暴力表現の悪影響を説明する際、モデリング研究が引用されやすい。
・セルフモデリングは、対象者の適応行動の編纂動画を、対象者に観察させる手法である。