恋愛心理学における恋愛関係の段階的変化について

恋愛心理学における恋愛関係の段階的変化について

1.序章

 恋愛関係と言っても、その関係は不変と言った訳ではなく、段階的に変化をしている。パートナーと交際を経験していた経験のある方は「確かに」と思う人も中にはいると思われるが、交際前の二人の関係と交際してから半年が経た状態では、両者のやり取りは異っていると言う経験をしたのではないだろうか。

2.本論

 序論で述べた通り、交際前と交際して半年を経てでは、互いの親睦の深さが異なっている事が多いであろう。具体的には交際前では相手の情報をより知ろうとボディランゲージを意識して関わったり、交際して半年を経た状況では互いに秘密を共有したり生活を共にする等、両者との間でのやりとりが変化している事が伺える。

 実はこう言った出来事はある心理学の一部にすぎない。それはナップの対人モデルである。これは関係が段階的に発展していく登りのステップと、破綻に向かう場合の降下のステップが5つある(※1)。登りに向かうステップでは、第一印象が物を言う「開始」から始まり、互いに理解を深める「実験」。秘密の共有から互いの気持ちが高まる「強化」。互いに生活を共にする「統合」。結婚等二人の共同生活を公表する「結束」である。その反対に降下のステップとはストレスから結束が崩れたように感じる「相違」から始まり、互いの間に壁が生まれる「制限」。関係が悪化し、改善が難しい「停滞」。コミュニケーションがなくなる「回避」。そして、関係が終わる「終結」に至る。

 パートナーがいる人は、現状のパートナーとの様子とナップの対人モデルを比較する事で、相対的に自分の恋愛関係がどの段階である事が理解する事をできる。

 しかし、全ての人がこの理論に当てはまると言う事ではない。段階的に登り降りをしていくのではなく、一つの段階を飛ばした状態で段階を登り降りする事もあるため、注意が必要である。

3.結論

 今回の記事では恋愛関係にも段階的である事を紹介した。パートナーがいる人はナップの対人モデルを事前に理解していく事で、今後のパートナーとの生活に多少見通しを持つ事ができるだろう。逆にパートナーがいない人でも「恋愛関係にもこう言ったステップ」がある事を知っておく事で、実際にパートナーとの交際が始まっても程良い距離感でやり取りができるのだと思われる。重要な事はこの理論を理解し、未来の見通しを持ってパートナーとやり取りをしていく事である。それが互いにより良い恋愛関係になれる方法である。

4.参考文献

①ひと目でわかる心のしくみとはたらき図鑑(※1) P162〜163

 2019年8月1日 第一版第一刷 発行

 黒木俊秀(日本語版監修) 小野良好(訳者)

 株式会社 創元社

 

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