馴化の意味
馴化(じゅんか)とは、生物に対して特定の刺激を繰り返し与えると、その刺激に対する反応が徐々に低下するという現象である。英語ではhabituationと呼ぶ。特に、その生物にとって快でも不快でもない中立的な刺激を用いると、馴化が生起されやすい。
馴化と類似の概念に順応がある。順応は主に、刺激を受け続けた神経細胞の疲労を原因として、反応が鈍化する現象である。一方、馴化は新奇の刺激に対して、自身にとって反応する必要性の無い様な中立的な(快でも不快でもない)刺激であると学習した結果、同様の刺激に対しての反応が低下する現象であるという点で順応と異なる。
馴化の特徴として、刺激の差異に敏感なことが挙げられる。例えば、大音量の音といった同程度の刺激であっても、音の種類が異なる別の刺激には馴化は起こらず、通常の反応が生起される。これを「脱馴化」と言う。また、刺激が強いものよりも弱いものの方が、頻度の低いものよりも高いものの方が馴化が速く起こる。
例文
・馴化は学習の一種である。
・マスクを付けたままであることに馴化が起こり、気にならなくなってしまった。
・船の揺れが大小様々なので、なかなか馴化が進まない。
・朝の目覚ましに馴化が起こらないように、毎日違うアラーム音を使っている。