コミュニケーションの意味
心理学において、コミュニケーションとは、ことばなどといった情報だけではなく、情緒や意図などを伝えることも含まれる概念である。
たとえば、A.メラビアンは、コミュニケーションを、言語情報(バーバル・コミュニケーション)と、視覚や聴覚などといった情報による非言語コミュニケーション(ノンバーバル・コミュニケーション)の2つに分類した。
メラビアンによれば、相手の好意に影響を与えるときには、バーバル・コミュニケーションよりも、ノンバーバル・コミュニケーションによる影響のほうが大きい。この学説は『メラビアンの法則』とよばれている。
発達心理学では、コミュニケーションの基礎がつくられるのは、乳児期(生後1ヶ月〜1歳)だといわれている。親と子のあいだでおこなわれる相互作用の積み重ねによって、絆が生まれる。そのような絆を、J.ボウルビィは『愛着』とよんだ。この、親への愛着を、ほかの他者にも向けることによって、信頼関係が養われるのである。
ことばの発達は、1歳半から5歳までのあいだに、飛躍的に促進される。1語のことばを使うことから始まって、しだいに、語彙を増やしたり、文法や会話を、コミュニケーションの道具として使うことができるようになる。
また、F.M.スラッシャーによれば、子どもは、自発的に集団をつくり、ルールや活動計画を立てて実行するようになる。少年集団が形成される時期は、児童期(6歳〜12歳ころ)といわれている。集団の活動が、社会性を学ぶことや、人格の形成にとって重要な過程となるのである。
例文
○近年は、子どものコミュニケーション不足が問題視されている。
○社員どうしのコミュニケーションを促すような、風通しのよい職場をつくろう。
○自閉症の方々はコミュニケーションに障害をかかえている、ということを理解しなければならない。
○人付き合いが苦手な人には、うまくコミュニケーションをとるための方法を、いっしょに考えてあげるとよい。