カスタマー・エクイティの意味
カスタマー・エクイティとは、企業からみて一人の顧客が生涯をかけてその企業に価値をもたらす利益の合計のことである。例えば、車を購入した時にそれに付随して発生する保険やガソリン代なども価値として考える。新規の顧客を沢山獲得していくのではなく、既存の顧客を大切にし、長期的な関係性を作ることが戦略であるという発想である。新規顧客獲得よりも既存顧客の維持が重要と認識されるようになったのは、ロイヤリティの高い顧客が売上全体の多くを占めることや、新規顧客を獲得するよりも既存顧客を維持する方がコストが抑えられるという理由がある。例えば、クレジットカードのポイント制度や航空会社のマイレージ・プログラムの方が、新規顧客を獲得するよりも割安の費用で抑えられる。自社の顧客が流れることを防ぎ、新規顧客を多く開拓することがカスタマー・エクイティを高めることに繋がる。また、顧客と良好な関係を保ち、信頼感を増幅させることで顧客生涯価値が高められる。カスタマー・エクイティの考え方は、どのような顧客が企業にとって資産価値が高いかが理解できるものであるため、経営資源の投下すべき指針に用いられることもある。
例文
カスタマー・エクイティの考えで常連客のニーズに答えた商品を売り出すようにした。