内言と外言の意味
Vygodskiy, L. S. が言語観について述べるときに用いた用語。
人間の発話のレベルを2つに分け、音声を伴わない自分への言葉である内言、音声を伴う他者への言葉である外言と区別した。
内言は内的思考の道具として使われ、外言はコミュニケーションの道具として使われる。
自分自身へ語りかける言葉と、他者へ語りかける言葉とでは大きく違いがあり、内言は外言とは異なる独自の言語機能と言える。
つまり、内言+音声≠外言であり、外言-音声≠内言である。内言から外言への移行は、複雑な過程を経て行われている。
内言は述語中心の構造をとり、圧縮・省略が多く、文法的な整合性に欠けるといった特徴がある。
Vygodskiy, L. S. は子どもの発達過程において、「自己中心的な言葉」は外言から内言への過渡期と捉えている。
例文
・子どもの「自己中心的な言葉」は内言を声に出しているのに近く、次第に外言と区別されていく。
・人の思考は内言で考えられ、他者に伝えようと考えた際に外言へと変換される。
・内言から外言への移行過程は、子どもの発達を観察することで、分かるかもしれない。
・内言化された悩みは複雑に感じるが、外言化することでシンプルに考えられる。