文学(文芸・詩歌) 『こうもり』とハプスブルク神話の関連性 ハプスブルク神話とは19世紀初頭に成立したとされる、オーストリア人のアイデンティティの拠り所といえる考え方である。ハプスブルク家の国家が凋落の兆しを見せ始めた時期に、フランス革命の歴史的転換の影響を受けずに自己を保全していくための道具として... 2022.07.02 文学(文芸・詩歌)
文学(文芸・詩歌) 田山花袋『蒲団』から見る近代化 田山花袋の『蒲団』は、主人公の竹山時雄が弟子である横山芳子に抱いた恋心を描いた作品であり、日本の自然主義文学の先駆けとされる。自然主義とは一般的に客観的な描写と人間の愚かしさ、恥ずかしさを表現するものであるとされているが、一種の私小説の形式... 2022.06.28 文学(文芸・詩歌)
文学(文芸・詩歌) 村上春樹『象の消滅』が意味するもの 『象の消滅』は、表題の通り、ある町で象が消滅する物語である。この作品は、象が消滅した直接的な理由を重視しておらず、物語後半の主人公と彼女の対話の中で描かれる、象の消滅によって主人公が受けた影響を大きなポイントとして捉えている。象の消滅は、主... 2022.06.28 文学(文芸・詩歌)
文学(文芸・詩歌) 「源氏物語」における葵の上像について ①序章 葵の上は「源氏物語」の序盤に登場する女性であり、光源氏の最初の正妻である。政略結婚であった二人は、なかなか心を通わせることが出来ずよそよそしい関係を続ける。葵の上の懐妊をきっかけに状況は好転するが、幸せも束の間、葵の上は六条御息所の... 2022.06.12 文学(文芸・詩歌)
文学(文芸・詩歌) 村上春樹「パン屋再襲撃」が示唆するもの ①序論 村上春樹著「パン屋再襲撃」は、真夜中に空腹を抱えた夫婦が、空腹の原因である「呪い」を解くためにパン屋を襲撃する、という話である。タイトルで再襲撃というからには最初の襲撃があるはずで、「僕」は若い頃友人と共に飢えを満たすためにパン屋を... 2022.06.12 文学(文芸・詩歌)
文学(文芸・詩歌) 福田恆存と三島由紀夫に見る戦後保守思想 福田恆存と三島由紀夫に見る戦後保守思想序論2020年は、三島由紀夫の没後70周年というタイミングで、三島の再評価が行われた。その回顧的な企画は、戦後の日本文化を語るためには、避けることができないような意義をもっている。しかし、私には、どちら... 2021.12.27 文学(文芸・詩歌)社会学
文学(文芸・詩歌) 『方丈記』が見直される訳 『方丈記』が見直される訳 『方丈記』は何十年かに一度、評価がされるようなブームが訪れている。蓮田善明の『鴨長明』(※1)を始めとした長明、『方丈記』に関する作品が、戦後や戦時中に世に多く出たのは既に知れたことである。テーマとされている「世の... 2021.11.29 文学(文芸・詩歌)
史学 福原遷都が『方丈記』において災害と言われる訳 福原遷都が『方丈記』において災害と言われる訳 『方丈記』に描かれた五大災厄の中で、安元の大火、治承の辻風に次いで三番目に登場するのが、福原遷都である。他の項目が大火や辻風などの「天災」なだけがあり、都が移されたという政治的事変である福原遷都... 2021.11.21 史学文学(文芸・詩歌)
文学(文芸・詩歌) 文学作品『方丈記』はなぜ史料として重宝されるのか 文学作品『方丈記』はなぜ史料として重宝されるのか 『方丈記』は鴨長明が世の無常さを描いた文学作品である。しかし、文学作品ではありながら、重要な史料として今日に用いられていることも事実である。なぜ文学作品の一つである『方丈記』が貴重な史料とし... 2021.11.14 文学(文芸・詩歌)