ソシオメトリーの意味
ソシオメトリーとは、集団構成員の心理的・感情的作用を測定し、対人的感情構造を明らかにしようとする理論である。Moreno, J. L. によって提唱された理論であり、人間関係における好き嫌い・無関心の状況を測定し、誰と誰が好意関係にあるか、誰が孤立しているか、人気者と嫌われ者は誰かといった集団内の構造と機能を明らかにすることを目的としている。主な測定法として、行動観察・面接・ロールプレイング・ソシオメトリックテストが挙げられる。ソシオメトリックテストとは、「誰と一緒のグループになりたいか」といった質問に、数名の名前を挙げてもらうというものである。その結果を数量化し、表に示したものをソシオマトリクス、その関係性をベクトルで示して図にしたものをソシオグラムという。集団構成員の自発性と創造性を喚起するロールプレイをソシオドラマ、加えて対人関係の問題解決や心の健康改善を目的としたものをサイコドラマと呼ぶ。
例文
・幼児のソシオメトリー地位は、発達研究において重要である。
・ソシオメトリーは、集団における対人関係を把握する有効な方法である。
・学校嫌いな子どもは、ソシオメトリーにおいて孤立傾向にある。
・ソシオメトリーの把握は、集団統括者にとって押さえておきたい情報である。
