単純接触効果の意味
単純接触効果とは、ある他者と触れ合う機会が多ければ多いほど、その人にたいして好意を抱くようになる、という社会心理学の法則である。魅力についての理論のうちでは、熟知性によるものである。
R.B.ザイアンスとR.J.モアランドが顔写真や図形をつかっておこなった実験を皮切りとして、社会心理学では、単純接触効果とサブリミナル効果を結びつけて考察するような研究が、多くおこなわれている。
単純接触効果は、他者との対人関係を形成することにかかわっている。たとえば、ふつう、近くの地域にいる他者は、遠くにいる他者よりも、接触する回数が多い。より多く会う人物から、より多くの刺激を受け取ることとなる。したがって、近くにいる他者のほうが、遠くにいる他者よりも親しくなりやすい、という現象は、単純接触効果によって説明することができる。
この効果は、接触したときの記憶の明瞭さとは関係がない。他者と接触することじたいが、そのまま好意度に影響する。
例文
○会ったばかりの人となかよくなる方法として、単純接触効果が有効だ。
○SNSで連絡をとり合うだけでも、単純接触効果が発生する。
○片思いの相手に、単純接触効果を使ってみよう。
○単純接触効果を最大限に活用するためには、笑顔で人と会うとよい。